Feb 13, 2020 interview

現場では"全体のムード"を感じることを大事に―松田龍平に聞く『影裏』の裏側

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綾野剛との共演、撮影現場での印象

──綾野剛さんと共通のご友人を介してプライベートでお会いになったことは?

あります。ある日、フラッと僕の家に遊びに来てくれたこともありましたね(笑)。

──なんとなく日浅っぽいですね(笑)。

たしかに(笑)。自分が興味のあることに対してものすごく正直なタイプなのかなと。フットワークが軽いというか、“おもしろい”と感じたらすぐ行動に移せるんですよね。興味を持てるか持てないかのジャッジが早いんだと思います。

──そんな綾野さんと本作で共演されていかがでしたか?

テキパキと動いて自分のやりたいことを明確にしている、という印象を受けましたね。もともと彼に対してすごくしっかりしているイメージを持っていたので、役に関しても事前にしっかりと作り込んでくるタイプなのかなと思っていたんですけど、現場ではつねに敏感にアンテナを張って、撮影中に起きたことからちゃんと影響を受けながらお芝居をしていた印象があります。でも、カットがかかった途端にいつも通りの綾野くんに戻ってるんですよ(笑)。器用でもあるけど影響を受けたことには正直に反応できて、自分の役のことをすごく引いたところで見ているんじゃないかなと思いますね。

──そんな綾野さんに対して、撮るシーンによっては待ち時間などで距離の取り方を変えることもあったのでしょうか?

とくにシーンごとに何かを変えるということはなかったですね。先ほどお話したことにも通じるんですけど、台詞に意味を持たせすぎないのと一緒で、シーンがどうというよりは、共演者や監督、スタッフさんや現場の風景、そういう全体のムードみたいなものを感じることのほうが大事というか。

──日浅は何があってもいつもと変わらない、ということも松田さんにとっては大きかったのかもしれませんね。

それもありますし、日浅は今野だけを見ているわけじゃないので、結局のところ「この人は何を考えているんだろう?」という印象を受けますよね。それは演じるうえで大きかったかもしれないですね。