―― 自分を好きになる為にしていることはありますか。
色々なものを見て感じる日々の生活の中で、頭に思い浮かぶ感情やストーリーを文字に起こす。携帯ではなく、紙とペンで起こしてみる。綺麗な文章でなくていいんです。そうすると自分の頭の中がよく理解出来るんです。文字にすることで、自分がどんな表現を使うのか?というように今まで知らなかった自分を知ることも出来ます。それは結構やっていますし、客観的な目って大事ですよね。この仕事をしていて特に思います。この作業は、自分を俯瞰して見るみたいな感じです。
―― 脚本とか書かれないのですか。
出してはいませんが、大学時代から実は脚本は書いてはいます。脚本を書いている時はあまり楽しくないのですが‥‥、多分、書くことが好き、文字として残ることが凄く好きなんだと思います(笑)。
―― 先程「演じることが楽しくなった」と話されていましたが、そう思えたきっかけは何ですか。
自分が影響を受けやすい人間であることを知った時ですかね。
私は今まで自分が影響されやすい人間だとは思っていなかったんです。でも今思えば直ぐ影響されちゃうんです。それこそ映画もそうですし、一緒に居る人によっても変わる。役や作品によって現場で皆さんから言われる私の印象がまったく違うんです。私はカメラが回っていない時でも役を引きずってしまうんです。全然自覚がなかったんですけど、役に持って行かれることも多くて、そういう意味ではしんどいこともあったりします。
そんな自分に気づいてから“少しでも切り替えることが出来るように何かを見つけよう”という努力をするようになりました。そうしたら周りの環境で色々と気を遣ってしまうことなど、余計なものがどんどんと削がれていって、“純粋に今、お芝居と向き合っている、凄く楽しい、お芝居が好きだ”という気持ちに気づくことが出来ました。きっかけは「引きずりやすいよね」とマネージャーさんに言われた一言でしたね(笑)。
終始、明るい表情で撮影時のことを語ってくれた川添野愛さん。恐怖体験を映像で表現するには手の込んだ作業が必要であることを身をもって知ったそうで、とても貴重な経験だったよう。映画は次に誰が恐ろしい霊の餌食になるのか、ハラハラしつつも海の美しさに引きずり込まれそうになる感覚に陥る。VRという最先端技術と怨念という非科学が融合した新感覚のホラー。それでいて島の伝承が事件の鍵を握るという展開もあり、ミステリーとして極上なのです。
取材・文 / 伊藤さとり
写真 / 奥野和彦
ヘアメイク:光倉カオル (dynamic)
作品情報
映画『忌怪島/きかいじま』
未だシャーマンが棲む島。その島でVR研究を行う片岡友彦とチーム「シンセカイ」。突然のシステムエラー、突如出現する 赤いバグ。シャーマンは語る、「それは“イマジョ”じや‥‥」。交わり始める 異世界 と 現実世界。瞬く間に島を覆う怪奇と死─ 。“イマジョ”との関係は?彼らは謎を解き明かし、生きて島を脱出することができるのか!
監督:清水崇
出演:⻄畑⼤吾(なにわ男⼦)、⽣駒⾥奈、平岡祐太、⽔⽯亜⾶夢、川添野愛、大場泰正、祷キララ、吉田妙子、大谷凜香、 笹野⾼史、當真あみ、なだぎ武、伊藤歩、⼭本美⽉
配給:東映
Ⓒ2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会
2023年6月16日(金)公開
公式サイト kikaijima-movie2023.jp
伊藤 さとり
映画パーソナリティ
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。
映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。
自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。
映画コメンテーターとしてCX「めざまし8」、TBSテレビ「ひるおび」での
レギュラー映画解説をはじめ、TVやラジオ、WEB番組で映画紹介枠に解説
で呼ばれることも多々。
雑誌やWEBで映画評論、パンフレット寄稿、映画賞審査員、
女性監督にスポットを当てる映画賞の立ち上げもおこなっている。
著書「2分で距離を縮める魔法の話術」(ワニブックス)。
2022年12月16日には最新刊「映画のセリフでこころをチャージ 愛の告白100選」
(KADOKAWA)が発売 。
伊藤さとり公式HP: https://itosatori.net