『犬鳴村』『樹海村』『牛首村』といった「恐怖の村」シリーズを手がけてきたホラー界を牽引する清水崇監督。彼が次に手掛けたのは「恐怖の島」であり、最新のVR研究を行うチームの一員として島に降り立った天才脳科学者の【片岡友彦】が、科学では解明出来ない不可解な謎に巻き込まれていく恐怖を描いたミステリーホラーです。そんな『忌怪島/きかいじま』で主演を務めるのは「なにわ男子」の西畑大吾、その他、VR研究メンバーに生駒里奈、平岡祐太、水石亜飛夢、川添野愛、さらにとあることをきっかけに島を訪れた園田環役の山本美月などが出演し、人間ドラマとしても見応えある作品になっています。今回は、劇中、恐怖体験に震える【シンセカイチーム】のメンバー【三浦葵】を演じた川添野愛さんにお話を伺いました。
―― 「VR」研究チームというので、目の前にはコンピューターの機器があって、時折、専門用語が飛び出したりする群像劇でもありました。現場はどんな雰囲気でしたか。
とにかくダントツに【片岡友彦】役を演じる(西畑)大吾君が大変そうでした。彼は天才脳科学者の役なので本当に大変そうで、喋り方とかも気を付けていました。それと喋り方で言えば【山本春樹】役の平岡(祐太)さんも関西弁だったので、関西出身の大吾君や助監督に台詞の特訓を受けていました。
―― ホラー作品の撮影現場ではよく聞く話ですが、現場で怖い体験などありましたか。
きっとこういう質問をされると思っていたので、昨日「私が忘れているだけじゃないよね」と【深澤未央】役の生駒(里奈)ちゃんに確認のメールを送ったんです。そうしたら「そんな簡単にお化けは現れません」という返信が来ました(笑)。
ということでご期待に添えず申し訳ないのですが、怖い体験はなかったと思います。実はそれどころではなかった感じもあります。「今、ここで何が起きているのか?」を一つ一つ確かめながら進めていく撮影だったんです。順撮りではない部分もあったので「今、どのくらい怖いんだっけ?」という感じで演じていたので「怖い」という感情よりも、冷静に“一つ一つやっていこう”という気持ちでいました。
―― 撮影は奄美大島が主だったそうですが、どう過ごされていたのですか。
3分の2ぐらい‥‥いや、もっと多いかもしれませんが、島で撮影を行い、【シンセカイルーム】(VR研究チーム)は別の場所(セット)で撮影を行いました。島については、南の島独特の時間の流れがありました。観光客もあまりいない場所なので、島の皆さんが持つ柔らかい空気のお陰もあり、スタッフもキャストもゆったりとした気持ちで穏やかに過ごしていました。私がメインで一緒だった【シンセカイチーム】も【園田環】役の(山本)美月さんも皆さん穏やかな方たちばかりで、お喋りしたい時はするし、各自それぞれのことをしている時もあるなど、居心地の良い現場でした。海辺での撮影の時は、美月さんは撮影が始まるまで貝殻を拾っていましたし、皆さん自由に過ごしていました(笑)。