―― お二人は10代の頃にホラー映画『劇場版 零 ~ゼロ~』(公開:2014年)で共演されているとお聞きしております。再共演を果たされましたが、お互いの印象を教えて下さい。
萩原 安心感は凄くありました。今回メインのキャストとは全員2回目の共演なんです。啓太役の倉悠貴君も加奈子役の筒井真理子さんも花純ちゃんとも2回目です。知っているからこその安心感がある、だからこそアクションとかも本気でやれる。遠慮なしでぶつかっても大丈夫な人だという安心感がお互いの中にあったので、それが凄くありがたかったです。
―― 山谷さんの魅力を一言で例えるなら。
萩原 爆発力だと思います。演技においてのスイッチのオンとオフの切り替えが凄いんです。バッとスイッチが入ったのが見える。だからこそ本番の本気度が違うので何度やっても新鮮に受け止めることが出来るんです。やっぱり本番に行くまでの段取りやテストで相手の芝居が見えてしまうので受け方が自分の中で決まってきてしまいがちなのですが、それが無いので助けられました。
山谷 コロナ禍になってマスクをしてフェイスガードをして、ほぼ顔が見えていない状態でテストとかをするようになって、顔を見ながら演技出来るのは本番だけなんです。だから良くないかもしれませんが、私の中では、テストやドライは気持ちゼロぐらいの勢いで動きの確認だけなんです。初めて顔が見える本番だけ気持ちをのせて演じる感じです。
萩原 コロナ禍になって考え方が変わったよね。
―― 面白いですね、本番で何が出て来るのかわからない感じ。では、萩原さんを一言で例えるなら。
山谷 役者なんだと思います。嘘を本当に見せるのも上手いけど、本当は嘘をつくのが大嫌いな人だと思います。だからこそ役者、役と心中する覚悟のある女優さんだと思います。
萩原 それ、心配じゃないですか(笑)。
山谷 本当にそう思うんです。魂を込めてその役を引き受けて、責任感が凄く強い人なんだって隣に居て感じるんです。私は深く考えているようで考えていないので(笑)。それこそ作品をやるうえでの準備に対して綿密に時間をかけていて対策しているし、集めた資料を分析して頭に蓄えて作品1つ1つに挑んでいるんです。みのりちゃんのその努力に私は「勝てない」と今回ご一緒して改めて感じました。自分には出来ないことが出来る人、本当に尊敬しています。
萩原 不器用なだけなんです(笑)。
山谷 ある意味、そこまで綿密に調べたり勉強するのは、もの凄く臆病な人だということもわかるので、だからこそ今回のようなハードな作品で出会った時は、何か言葉をかけるではないけれども、隣に居る時ぐらいは“肩の力が抜けられたらいいな。みのりちゃんの支えになれたらいいな”と思っていました。