人は死んだらどうなってしまうのか?何故、心霊現象が起こるのか?2000年に岐阜で起きた幽霊団地事件を基に映画『N号棟』が完成しました。本作は、興味本位から廃団地へ訪れた女子大生と元カレ、その彼女が体験する怪奇現象を綴った考察型恐怖体験ホラーです。メガホンを取ったのは『リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲~』を監督し、「世にも奇妙な物語」の演出、プロデュースを手掛ける後藤庸介監督。実は監督自身が死恐怖症(タナトフォビア)を抱えていることから生まれたオリジナル脚本であり、主演は『成れの果て』でも迫力の演技を見せた萩原みのり、彼女と共に恐怖体験をする女子大生に山谷花純、その他、倉悠貴、筒井真理子という顔ぶれが揃いました。
今回は、同世代の女優、萩原みのりさんと山谷花純さんに自身の演技論を伺います。
―― まず、後藤庸介監督のオリジナル脚本を最初に読んでどう思われましたか?
萩原 キャパをちょっと超えていて‥‥。それこそ私の頭の中には『ミッドサマー』(公開:2020年)とかの海外のホラー作品がいっぱい出てきてしまって、この作品を日本で撮るという想像がちょっと出来ませんでした。
それに、この作品を主演で引き受けた場合、必ずこのような取材を受けることになり、「この作品を誰に観て欲しいですか?」と絶対に聞かれると思うんです。その時に“何て答えればいいのか?”ということまで考えてしまって、「私、ちょっとわからない」とキャパを超えてしまったんです。だからマネージャーさんに「ちょっと任せます」と伝えました(笑)。「私は好きです。でもわからないからどう思いますか?」と聞いたらマネージャーさんが「全然いいと思うよ」と言われて“これは、やってみるしかない”と思って挑戦させて頂くことにしました。
届いた脚本を「読んでみて欲しい」と言われて、しかも監督曰くわかりやすくする為にと参考写真を載せて下さっていたのですが、ちょっと刺激の強い写真で、その写真が怖すぎて「こんなの日本でどうやって撮るんだろう」と不安になってしまいました。
山谷 私が頂いたものには無かったです。でもそうですよね、規制とかもあると思うし。
萩原 そうなんです。どれくらいのレベルの作品になるのか想像がつかなかったです。
―― 後藤監督の意気込みが感じられますね。
山谷 本当に文字だけを読んだら、各々に想像するものがあると思うんです。「監督が撮りたいものは果たして私が想像したものと合っているのだろうか?」という疑問が凄く生まれました。それでも集団の怖さや洗脳の怖さを(脚)本で読んで改めて感じました。