『22年目の告白-私が殺人犯です-』(公開:2017年)で韓国映画を大胆にリメイクして話題を呼んだ入江悠監督が、『太陽』(公開:2016年)に続き、劇団イキウメの異才・前川知大の戯曲を映画化。本作では舞台を韓国・仁川に置き換え、小説家志望の輝雄の元に転がり込んできた妹・要と共に目を疑う怪現象の究明に挑むというもの。主人公・輝雄を演じたのは『ドライブ・マイ・カー』(公開:2021年)も公開された岡田将生。今回は、その妹・要を演じ、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(2022年度前期)への出演も決まっている川口春奈さんにお話を伺います。
―― 演じられた【要】の衣装もまたビビットでとても可愛かったです。
ありがとうございます。結構カラフルというか、特に【要】の衣装は黄色や赤や緑などパキッとしている色だったので、派手でしたよね。
―― 私は一瞬「韓国の服かな?」と思ってしまいました。
確かに、あの派手さはそう見えるかもしれませんね。実際は日本で選んで衣装を持ち込んだんです。
―― コロナ禍前の2019年での韓国オールロケでしたが、行く前から楽しみにしていたことはありますか。
私は韓国料理もスパもあかすりも好きでよく行くんです。韓国は日本で生活していても身近でよく行く場所なので、毎日、韓国料理を頂いたり、健康ランドみたいな所にも行けると思って楽しみにしていました(笑)
―― 韓国の俳優さんも出演されていますが、何かお話をされましたか。
はい。皆さんが知ろうとして下さって、コミュニケーションを率先してとって下さったんです。それが本当にありがたかったです。もちろん通訳の方はいらっしゃいましたが、皆で身振り手振りで伝えあって、ローカルなお店とかも教えてもらったりして、楽しかったです。なかなかない経験でしたね。
―― 『聖地X』が韓国を舞台にした映画だからなのかわかりませんが、演技もエモーショナルなものが多い気がしました。それは入江監督が意図していたものだったのですか?表現の一つ一つが際立っているというか、特に【要】は最初から感情を外に出しているタイプなので余計にそう思いました。
ハッキリはしていると思います。怒っていたり、悩んでいたり、穏やかになったり、特に【要】はその起伏があったかもしれないですね。
―― この映画で好きなシーンはどこですか。
この映画では居酒屋でのシーンがメインになってくるのですが、居酒屋の敷地を出たところでクライマックスを撮影したり、そこに居ることが多かったんです。撮影ではCGを使う大変なところもそこで夜な夜な撮っていたし、「楽しかった」というよりは一番印象的なシーンです。
―― CGを追加する前ですから、役者さん達は想像しながら演じるわけですよね。居酒屋内での除霊シーンが凄く好きでした。
面白いですよね。韓国では、ああいう風に除霊をするそうです。あの除霊シーンを目の前で見ている時は“海外に来たんだ”と感じていました。日本とは文化も違うし、色々なものが違うけど、まるでお祭りみたいに騒いでいるのでビックリしましたし、面白くも感じていました。確かにあのシーンも印象的ですよね。