Dec 19, 2020 interview

将棋エンタテインメント「電王戦」に着想を得た『AWAKE』で若手強豪棋士を演じた若葉竜也の素顔

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第1回木下グループ新人監督賞グランプリに輝いた山田篤宏監督の劇場映画デビュー作『AWAKE』。監督自身が書き上げたオリジナルシナリオは、2015年に実際に行われた棋士VSコンピュータの対局、将棋エンタテインメント「電王戦」に着想を得たもので、幼き頃からのライバルが年月を経て、再び対局し、自分自身とも対峙するエモーショナルな成長物語なのです。将棋映画の枠を超え、人間臭さと秘めたる情熱を放ち、互いを輝かせるライバルを演じた吉沢亮さんと若葉竜也さん。本作で、台詞の少ない役でありつつ、その本心を探りたくなる天才棋士・浅川陸を演じた若葉竜也さんに役への取り組み方などを伺いました。

将棋エンタテインメント「電王戦」に着想を得た『AWAKE』で若手強豪棋士を演じた若葉竜也の素顔


それぞれの再生ボタンを押すと若葉竜也さんと山田篤宏監督のラジオトークがお楽しみいただけます

――今回の作品で特に惹かれた部分はどこですか。

山田(篤宏)監督にとって本作が商業長編映画初の作品というところに魅力を感じました。

――木下グループ新人監督賞グランプリを受賞した、オリジナル脚本を読んだ時の感想を教えて下さい。

元々、興味のある題材だったんです。将棋だけでなく、ちゃんと人間ドラマも描いていました。いい映画もいっぱいありますが、将棋だけを深く掘り下げた将棋映画ってお客さんが入らないイメージがあって(苦笑)将棋自体が手触りとしてゴツゴツしているイメージがあるじゃないですか、だからキャッチーじゃないから入らないみたいな。でもいつか棋士の役をやってみたいと棋士を生業にしていた友人の栗尾(軍馬)に話していたんです。それで今回のお話を頂いた時に「遂に来たよ、やりたいと思っている」と彼に話しをして、この映画の将棋指導を栗尾に頼みたいとプロデューサーにお話して、スタッフとして参加してもらいました。自分の中では来るべくして来たような感じです。「将棋に興味があります」と言っていて良かったと思いました。

――お友達の栗尾軍馬さんが棋士ということは、昔から将棋を指していたのですか。

全くしてないです。僕はルールもわからないです。僕は「歩」が1マスしか前に進めないしか知らないんです。準備期間もあんまりなかったので、どれを優先的に準備していくのかジャッジが必要でした。その中で棋士としての立ち居振る舞いを体に落とし込む作業が、一番優先される作業として頭にあったので徹底的にやりました。正直、自分の中で“将棋のルールをやっていたら間に合わない”と思ったので排除しました。映画を完成した時に浅川陸という棋士に見えればいいと判断したんです。

――棋士を演じるうえで、対局をテレビで見たりするなど準備をされたのですか。

本当に最低限です。モデルとなっている2015年の将棋エンタテインメント「電王戦」で実際にAWAKE(将棋プログラム)と対局した阿久津主税さんと羽生善治さんは見ました。あとは身近の栗尾、子供たちは最低限必要だったので見ました。

というのも学生時代の陸とプロになってからの陸の差異を作っていかないといけないので、子供たちがアマチュアとして将棋を指している姿とプロの振る舞いの違いを知りたかったんです。プロとして陸が上に上がっていく中で背負うプレッシャーや勝ち進む事で背負う自信と不安、色々な気持ちが混在している中でのプロとしての戦い方、姿勢を約2時間の映画の中で見せていく、しかも胡散臭くならないようにナチュラルに陸の顔が変わっていくような印象を作りたいと思ったんです。その為に子供が将棋を指している姿を見て、阿久津さん、羽生さんというトップクラスの人達が将棋を指している姿を見るという作業をしました。

将棋エンタテインメント「電王戦」に着想を得た『AWAKE』で若手強豪棋士を演じた若葉竜也の素顔

――凄いですね、本当に役者が好きなんですね。

好きとか嫌いじゃなくて。仕事だからやっているんです(笑)仕事でそれをやらなくなったら仕事が無くなっちゃうんで、だからやっているんです。

僕は、それが普通だと思います。俳優は皆やっているし、皆それぐらい準備をしています。準備をしてない俳優もいるかもしれませんが、してなくて評価されているのは天才でほんの一部の人間で、それでも何となく評価されちゃった人達って淘汰されていくと思います。僕は天才ではないので準備することは普通のことで、自分のことを滅茶苦茶冷静に見ています。

――若葉さんは内面的な感情を表現するのが見事だなと毎回、感じています。その表現はどうやって生み出されているのですか。

『生きちゃった』(公開:2020年)は正直、振り切ってどこまで熱量を上げて行くことが出来るのか。石井裕也監督がコントロール出来ないくらいの域に自分たちが行けるかどうかが勝負だと思っていました。石井監督自身が仰っていますが、あの本自体、本に穴がいっぱいあるんです。だけどそこを埋める作業よりもそこに引っかからないように役者が熱量を持ってどこまで連れて行けるか、そういう判断が自分の中にあって石井監督にあえてストーリーの整合性とか、そんな愚問はしなかったです。

反対に『AWAKE』は学生時代からのライバル状態から僕が演じる陸が強くなって、プロに上っていく中で表情や顔つきが変わっていく、そんな過程を演じていくので行き過ぎないように、1本2本と自分でボーダーラインをひいて滅茶苦茶計算して構築しながら陸というキャラクターを演じていきました。

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