Nov 13, 2020 interview

波瑠と安田顕が語り尽くす!ラブホテルが舞台の『ホテルローヤル』での役作り

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――この映画では親子の関係や過去も、物語が進むにつれ、どんどん見えてきます。父親である大吉さんが自分なりに家族を幸せにしたいと思って、ホテルを経営したというのも心に刺さりました。お二人が俳優(仕事)を続ける上でのやりがいは何ですか?

安田:僕は自分が過ごす日常じゃない非日常が現場にはある、というのがモチベーションかな。趣味がないから(笑)演技をするのが楽しいんです。

波瑠:難しいですね。全然ちゃんとした人間じゃないので、きっとこの仕事が私をまだ見られる人間にしてくれるからですかね。本当にダメダメなんです(笑)この仕事をもししていなかったら“私は何が出来たんだろう?”と考えると、本当にわからないんです。勉強も得意ではなかったですし。だから生きる為にしている感じです。大人になってきて、周りの年上のスタッフさん達と意見交換をして耳を傾けてもらえるようになった時は“前よりも相手にしてもらえている、成長したと思ってもいいかも”と自分の成長を感じられて、やりがいを感じることもあります。

――この映画の雅代という役柄もそうですが、波瑠さんの演技を見ていると言葉が無くとも、細やかな表情や立ち姿で感情を出すことが素晴らしいなと毎回思います。役をもらった瞬間、一番何を大事にされているのですか。

波瑠:何だろう。この物語って映画だと2時間ぐらいで収まる物語、ほんの瞬間的な時間じゃないですか。本を読み始めてから読み終わるまでの人生って、そうじゃない作品もありますが、たくさん生きていく時間の中の一部、その時間をちゃんと前に進めてあげたい、自分が演じる女の子についてはその幸せを願う気持ちがあります。 

――幸せを願う、素敵ですね。安田さんはどうですか。

安田:今、波瑠さんのお話を伺っていて“そうだな”と思ったことがあって。舞台をやっている時とかは、お稽古を含めてステージ数が長いので、自分が演じている役と自分が心の中で会話をしたりします。役柄というものをちゃんと存在するものとして届けられるのは自分しかいないので、自分が持っている肉体と楽器しかないから、そうやって自問自答のような、自分の中のキャラクターと自分の会話が始まると“いい具合に病気になった”と思います(笑)