Aug 29, 2020 interview

伊藤健太郎が語る『宇宙でいちばんあかるい屋根』撮影秘話と“役者としての過去と今”

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―― 役者になるべくしてなったのですね。『宇宙でいちばんあかるい屋根』の亨も『のぼる小寺さん』(公開:2020年)の近藤もそうですが、すぐ近くに居そうな普通っぽい役ほど、実はとても難しいと思うんです。そのバランスはどうやっているのですか?

あんまり考えすぎないようにフットワークを軽くして、現場に入れるようにしていました。役作りをガチガチに決めていくとか、何かを作り込んでいくとかはしなかったです。普段からガチガチにする方ではないんですけど、特にこの作品に関しては考えずに現場に行っていました。台詞を覚える時は“こうやって言おうかな”って言いながら覚えるんですけど、この作品に関しては、ほぼ棒読みで覚えて、現場の空気感とかから出て来るものを大事にしようという思いもありました。

―― 棒読みで覚える、面白いですね。監督のその場の演出とか、その時、対話する俳優との空気で作っていくということですか?

そうですね。ある程度、自分の中で言い方やニュアンスは考えますが“ここはちょっと引いていこうかな”とか“ここは押していこう”とか普段なら考えることを『宇宙でいちばんあかるい屋根』では考えなかったです。

―― 藤井道人監督の演出はどうでしたか?

演出に関しては、そこまで滅茶苦茶細かくはない方だと思います。最初に“この前にこういう事があったんでこういう雰囲気で…あとはその時の感情でいいです”と言ってくれたので、芝居がしやすい環境を作ってくれていました。

―― この映画の撮影で印象に残っているシーンを教えて下さい。

ラストの方でつばめと一緒に松葉杖で坂を登っていくシーンがあるんですが、まず暑かった!それにカット数も多かったので、何回も撮影したんです。そのシーンは二人の成長した姿を見せる大事なシーンでもあるので、凄く覚えています。

―― 撮影が続いていますが、気持ちの切り替えはどうしているのですか?

どうやって切り替えているのか、自分でもわからないです。でも割と得意みたいです(笑)それぞれの現場に行ったらキャストも違うし、スタッフも違う、撮影に関しては切り替えがヤバいってことはあまりなかったです。ただ番宣は、時々、ごちゃごちゃになっちゃう(笑)。

―― 役者として立つ上で大事にしていることはありますか?

 “楽しむことと感謝”です。楽しむことというのは、僕が何をするにおいても楽しくないと続かない性格なので、無理やりでも楽しむようにしています。感謝は、役者としてだけではなく大事なことだと思います。一人では出来ないですし、色んな人が居て、色んな人に支えられながらやれている部分があるので、そういう気持ちは忘れないようにしないといけないと思っています。

――いつ頃からそう思われたのですか?

小さい頃、感謝という意味はよくわからなかったんですが、おばあちゃんから“「ありがとう」という言葉は言おうね”っていう教育を受けていました。そういう家庭だったので、そこは大事にしています。俳優になってから思ったというわけではありませんが、改めて凄く大事なことだと思いました。

伊藤健太郎さんを最初にしっかりと認識したのは『14の夜』(公開:2016年)という足立紳監督の作品の中でした。不良グループのリーダー金田役で、主人公ではないのに、スクリーンに現われると一気にその場を持っていくような華を持った10代の俳優でした。それから『デメキン』での主演を経て、主演でも助演でも物語の中で、自由自在に纏う空気を変える事が出来る面白い俳優になっているから、毎回、目が離せない。だからこそ多くの監督、プロデューサーに愛され、呼ばれる俳優なのだと確信中です。

文 / 写真・伊藤さとり

作品情報
『宇宙でいちばんあかるい屋根』

小説すばるで新人賞を受賞するなど、多くの読者を魅了する作家・野中ともその大人気小説「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)待望の映画化。主人公、14歳の少女・大石つばめを演じるのは、今最も注目を浴びる若手実力派女優・清原果耶。つばめが恋するお隣の大学生役に、NHK連続テレビ小説「スカーレット」に出演するなど活躍の場を広げる伊藤健太郎。主題歌は、シンガーソングライターCoccoの書下ろし楽曲「今とあの頃の僕ら」。本作主演の清原果耶が、伸びやかな歌声でヒロインの心の旅を爽やかに歌い上げた。星ばあが教えてくれたあかるい屋根の秘密。懐かしくて愛おしい、大切な心を探す奇跡と愛の物語。
監督・脚本:藤井道人
出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり ほか
©2020「宇宙でいちばんあかるい屋根」製作委員会

9月4日(金)より全国ロードショー

公式サイト:https://uchu-ichi.jp/

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伊藤 さとり

映画パーソナリティ
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当。 全国のTSUTAYA店内で流れるwave−C3「シネマmag」DJであり、自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。また映画界、スターに詳しいこと、映画を心理的に定評があり、NTV「ZIP!」映画紹介枠、CX「めざまし土曜日」映画紹介枠 に解説で呼ばれることも多々。TOKYO-FM、JFN、TBSラジオの映画コーナー、映画番組特番DJ。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。心理カウンセリングも学んだことから「ぴあ」などで恋愛心理分析や映画心理テストも作成。著書「2分で距離を知事メル魔法の話術」(ワニブックス)。
伊藤さとり公式HP: https://itosatori.net

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