素直な気持ちを言えなくなった高校時代
──最初の登場シーンでの、ちょっと拗ねたようなテンションが低めのチャーリーの吹替は、土屋さんの声じゃないと思ったほど新鮮でした。
憤りを感じていたり、自分を見失って生きにくいと思っているチャーリーの気持ちが、なんだかわかるんです。私もどうやって生きていこうとか、どうすれば新しい自分になれるのかなとか、そういうことを考える時期があったので、自分と重なって作りやすかったということはあったかもしれません。それにチャーリーが生きにくいと感じているのは女性だからという理由もある気がします。家の中でも「女の子だからダメよ」と言われてダルさみたいなものを感じていて。それは今の社会にも通じることだと思うので、そういった雰囲気も表現できたらなと思っていました。
──どんなところで生きにくさを感じていらっしゃったんですか?
高校生の時、なんで自分はこんな性格なんだろうって思っていました。お仕事も部活もやっていたんですけど、みんなは部活を一生懸命やっていて、でも私はお仕事もあって。なかなか出席できなかったりすると、前は一緒にふざけていられた友達との間にちょっとズレが出てきてしまって、会話についていけなくなってくる。私自身も大人の方々と仕事をすることで環境も変わるし、自分の内面も変わってくるので、そういうことで自分が最低だなと感じたり、思っていることを言えなくなってしまった時期がありました。
──確かにお仕事していると周りの感覚と違ってくるのかもしれませんね。それでどうしたんでしょうか?
結局、顧問の先生に「あなたは思っていることを言いなさい、それがあなたの長所なんだから」って言ってもらって、思っていることを言うようにしたら、友達も「その方が太鳳っぽいよ」って受け入れてくれて。意外と自分より周りの方が自分を理解してくれるんだなって思いました。でも今も、常に自分を更新するにはどうしたらいいのかなって考えています。
──自分を更新するために何か心がけていることは?
いろんな人と会うようにして、どんどん自分が新しくなっていったらいいなと思っています。最近、以前よりも一つひとつのことに愛情を持てるようになれたと感じていて。こうして取材していただいたり舞台挨拶などに立てるのは全然当たり前のことじゃないので、本当に嬉しいと思えて、一つひとつに感謝していますし、出会う方々、一人ひとりが愛おしいなと思います。