Mar 17, 2019 interview

土屋太鳳『バンブルビー』の生きづらさを感じる主人公に共感?10代の自分、作品への想い語る

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ハリウッドの大ヒットシリーズ『トランスフォーマー』の最新作『バンブルビー』は、1作目の物語から遡ること20年。人気キャラのバンブルビーが何故、地球に来たかの謎を描いた“エピソード0”。ヘイリー・スタインフェルドが演じる主人公チャーリーの声を担当した若手実力派の土屋太鳳に、物語の魅力や収録でのエピソードなどを聞いた。

 

声の演技と、映画・ドラマでの演技の違いとは?

 

──『トランスフォーマー』シリーズとの出会いはいつ頃でしたか?

特撮映画はずっと観てきたんですけど、『トランスフォーマー』とは出会う機会がなかったんです。でも今回の作品をきっかけに全部観させていただいて、なんでもっと早く出会わなかったんだろうと思いました(笑)。戦いの中にも感動できる描写があり、世界観がとても好きでした。『バンブルビー』はシリーズの始まりの物語ですし、初めての女性が主人公の作品。吹替ではありますが、ハリウッド作品に参加できてとても嬉しいです。

 

 

──声をあてたチャーリーの魅力はどんなところだと思いますか?

私、チャーリーがすごく好きでした。弱いからこそ強いというか。弱さがわかっているからこそ強くいられて、バンブルビーとも理解しあえる。あと、よく笑いますよね。笑うシーンの収録時は本当に楽しかったです。

──明るい面を演じる時に気を付けたポイントはありますか?

声を張った方がいいのかなって思うと張らなくていいと言われたり、その逆もあったり、このセリフは早く言わなくちゃと思ったらもっとゆっくりでいいと言われたり、結構、反対のことが多かったです。自分の感覚ってクセにもなってきてしまうので、そこを意識していました。監督からは「とにかく画と表情をよく観て、呼吸を聞いて、同じ気持ちになって声を出して」と言われて、視野が広がったと思います。

 

 

──声の演技と、実際にご自身が演じる映画やドラマは、やっぱり演じ方が違いますよね。

そうですね。声の出し方は違うと思います。「用意、スタート」がかかって、(クールな低音ボイスで)「ねぇ、やめてよ」って言ったら、演技としてはちょっと違うかもしれないですけど、声優としてマイクを通すとそれが空気感になって、観ている方にすごく伝わるんですよね。ドラマや映画での演技のように(ナチュラルに)「ねぇ、やめてよ」って言うと、マイクを通すと棒読みに聞こえたり。声の密度みたいなものが全然違うんです。普段、私たちは身振り手振りや表情などに頼っているんだなと改めて感じました(笑)。でも私たち俳優はそれを大事にしないといけないので、改めて声優さんの素晴らしさに気づかされました。

──なるほど、声優と俳優の違いということですね。

俳優としても、演技に対してもっと違うアプローチがあるのかなとか、いろいろ考えさせられましたし、学べたと思います。吹替のお仕事をしていると、すごく元気になれるんです。生きていると、「いいよ」「大丈夫」って、周りを見ながら自分を抑えることが多くなりがちですが、声優さんは感情をちゃんと前に出していくので、みんなももっと感情を出せると元気になれるかなと思います!

──声優だとちょっと誇張して演技する分、感情が出やすくなるんですね。

そうですね。だから辛くなった時は、アフレコしてみると、もしかしたら元気になるかもしれないです(笑)。