Feb 22, 2019 interview

「歴史を変える分岐点になる」ジョン・カビラが語る今年のオスカー、授賞式でのあの“事件”

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世界最高峰の映画の祭典「第91回アカデミー賞授賞式」。日本の作品では『万引き家族』が外国語映画賞に、『未来のミライ』が長編アニメ映画賞にノミネートされ、大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』やレディー・ガガが主演を務める『アリー/ スター誕生』などが作品賞にノミネートされるなど注目を集めている。2月25日にWOWOWが独占生中継する番組で案内役を務めるジョン・カビラに、期待の作品や今までで印象に残った授賞式のエピソードなどを語ってもらった。

 

アカデミー賞授賞式、生中継の裏側は“時間との闘い”

 

──今年で番組の案内役を務めるのは12回目になりますね。

ありがたいです。再び授賞式の興奮を視聴者のみなさんと共有できるというのは本当に幸せなことだと思います。生放送中のスタジオにいる僕らは視聴者のみなさんと全く同じ映像を見ていますし、現地でコマーシャルが流れている間は、ゲストの方々とノミネート作品やノミネートされた俳優たちのサイドストーリーをどれだけお届けできるか、時間との闘いですから。今年は町山智浩さん、川村元気さんがゲストにいらっしゃるので、その横で焦るカビラをお楽しみいただけたらと思います(笑)。

──案内役を務めるにあたり、どのような準備をされているのでしょうか?

監督や俳優が、インタビューや別の映画祭の授賞式、その他いろんなところでどんな発言をしているのかというのは、最低限調べるようにしています。調べ始めるとキリがないので大変ですが、時間の制約がある中でどれだけ興味深い情報を視聴者のみなさんにお届けできるか、それこそが案内役の醍醐味でもあって。ただ、僕は映画評論家でも専門家でもないので、視聴者の皆様が知りたいことを町山さんにお聞きすることも、重要な務めだと思っています。

 

 

期待が高まる“王道”の映画、評価され始めている配信作品

 

──本年度のノミネート作品で特に期待されているのは?

Netflixで配信された作品がノミネートされるのは史上初となる、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』や、マーベル作品の『ブラックパンサー』、それから俳優のブラッドリー・クーパーがメガホンを執った『アリー/ スター誕生』は、レディー・ガガの歌はもちろんブラッドリー自身もギターとピアノを習得して挑んでいるので、そこもきっと評価されるのではないかなと思います。作品賞にノミネートされた8本はどれも素晴らしいですけど、オスカー受賞作品の王道という意味では、実話を基にした『グリーンブック』が有力ではないかなと。時代背景としての人種差別と経済の格差、LGBTも盛り込まれていているのでノミネートされて当然というか、期待は高まりますよね。

 

『グリーンブック』(2019年3月1日公開) © 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

 

──俳優部門ではいかがでしょうか。

主演女優賞に『ROMA/ローマ』のヤリッツァ・アパリシオさんがノミネートされていますけど、演技初挑戦の方が主演女優賞ノミネートは史上初じゃないでしょうか。彼女は妊娠中のお姉さんの代わりにオーディションに参加したらしく、そこでキュアロン監督に選ばれたそうなんです。『ROMA/ローマ』に出演する前は先生を目指していたというユニークな方で注目しています。

 

Netflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』(独占配信中)

 

──今後は『ROMA/ローマ』のような劇場公開されていない大手配信系サービスの映画がノミネートされる機会も増えると思います。それに関してカビラさんはどう思いますか?

“映画とはなんぞや”ということが問われる時代になってきていますよね。配信系サービスの映画をハリウッドがどう捉えるのか。でも、今回ノミネート作品に入っているので、すでに評価され始めていると思います。そういう意味でも今年のアカデミー賞は歴史を変える分岐点になるかもしれないですね。