Mar 16, 2017 interview

プロであるために必要なことは? 神木隆之介×ぼくのりりっくのぼうよみ対談

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エンドロールで流れる『Be Noble』に感じた思い

 

──奇しくも『3月のライオン』前編の主題歌に起用された、ぼくりりさんの楽曲タイトルも『Be Noble』なわけですが(笑)。前編が終わった後に、『Be Noble』が流れますが、実際にスクリーンでご覧になってみてどんな思いを抱きました?

神木 ドキドキしました。歌詞やメロディから浮かび上がってくるのは、殻の中でもがいているような雰囲気。本当はその殻からどうしても出たくてしょうがなくて、中にはすごい量のエネルギーが満ちているけど、端から見たらその殻はほんの少し揺れている程度。そんな感じのイメージだったんです。それは零の心情や彼の抱えている過去と今の想いとのジレンマであったり、棋士の方々の中にあるフツフツとした闘志や、背負っているものでもあるのかな。最初に聴いた感じだと優しい雰囲気なのかなと思いきや、すごい暴れまわっている曲だったので圧倒されてしまって。香子さん(有村架純)やあかりさん(倉科カナ)、登場人物みんなが何かしらのタイミングを迎える物語なので、『Be Noble』はこの映画に出てくる全ての人を指しているような気がしました。

 

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ぼくりり たしかに、そういう側面はあるかもしれません。なるほどなあ。

神木 誰しもが感じているんだけど具現化できない、暴れたくてもがいているけど、現実はそう簡単には動かない、そのような想いを抱えた人はみんな共感できるのではないかな。それでもこの世界で生きていかないといけないんだ、進まないといけないんだと覚悟を持てるかっこいい曲です。

ぼくりり うれしいです。『Be Noble』は直訳すると“気高くあれ”なので、今はそうじゃないんですよ。気高くあろうとする感情を歌っている楽曲なので、その定義は人によって違うかもしれないけど、そこに向かって歩いていくという点では向かう先は一緒なので。神木さんの言葉を、ふむふむと聞いておりました。実はこの曲、アルバム『Noah’s Ark』に収録されているバージョンとは、少し歌詞とアレンジを変えていて。

 

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神木 そうなんだ、知らなかった。

ぼくりり もともと『3月のライオン』のために書き下ろしたんですけど、映画館でエンドロールと共に流れることを想像したら、ちょっと攻撃的すぎるかな、と思って少しだけ手を加えて。方向性を変えたというよりは、より淡くした、というか。

──神木さんがおっしゃったように、より強固な殻の中に閉じ込めたイメージですか?

ぼくりり ちょっと繋がるかもしれません。油絵で描いたものを、水彩画にしたような。