May 29, 2018 column

唯一無二の存在感! 俳優・山田孝之の魅力と愛される理由を分析する

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ふざけているようで本人たちは大真面目!実験的で斬新な近年の作品

 

そしてここに加えたいのが、最近のユニークな仕事ぶりが際立つ一因となっている「山田孝之の東京都北区赤羽」(15年)や「山田孝之のカンヌ映画祭」(17年)、映画『山田孝之3D』(17年)。「~北区赤羽」は清野とおるのエッセイコミック「東京都北区赤羽」のファンの山田がひと夏を赤羽で暮らす様子に密着したドキュメントドラマ。この作品のスタッフが再び結集した「~カンヌ映画祭」は、世界三大映画祭のひとつ、カンヌ映画祭に出品する映画を製作すべく、プロデューサーの山田が山下敦弘監督と共に奮闘する姿を追う。観る者にとっては本当に本気でやってるの?と半信半疑になってしまうものの、実際にカンヌの地を訪れたり、映画祭常連の河瀨直美監督に話を聞きに行ったり、日本映画大学に体験入学したりと劇中では全員いたって真剣。山下と山田の緊迫感あふれる対立を映し出すなどヒリヒリした描写もあり、実験的でインパクトのある内容になっていた。そしてこの「~カンヌ映画祭」を受けて出来たのが映画『山田孝之3D』。山下監督がインタビュアーとして山田にさまざまな質問を投げかけ、俳優としての考えやスタンスを語るという、ほぼそれだけの映画を3Dで見せるという大胆さ。ほぼそれだけで77分もたせてしまうという斬新さ。そしてその企画に堂々のる山田孝之。いろんな意味で“事件”と言える映画だったのではないだろうか。

「勇者ヨシヒコ」の時に福田監督に言ったという「やりたい仕事であれば局や放送時間は関係ない」という言葉は、これらの仕事ぶりを見ていると山田孝之を端的に表現しているのかもしれないと感じる。自分が興味を引かれる企画があれば“山田孝之”という媒体を通して発表することを面白がる。自身の立ち位置をわかってるからこそ、自身の使い方を十分に熟知しているからこそ、あらゆる表現方法に恐れがないからこそ、できることだろう。今後も俳優としての活躍ももちろんだが、彼にしかできないであろう企画を実現させて、彼ならではのユニークな作品を生み出してほしい。

文/熊谷真由子

 

 

作品紹介

 

映画『50回目のファーストキス』

2018年6月1日(金)公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2018 『50回目のファーストキス』製作委員会

 


 

『クローズZERO』

発売中
スペシャル・プライス
ブルーレイ:2000円(税抜) DVD:1500円(税抜)
発売元:TBS 販売元:ハピネット
© 2007 髙橋ヒロシ/「クローズZERO」製作委員会

 

『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』

発売中
通常版 Blu-ray:4800円(税抜) DVD:3800円(税抜)
豪華版 Blu-ray:6800円(税抜) DVD:5800円(税抜)
発売元:小学館/SDP 販売元:SDP
©2016真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」製作委員会

 

『手紙』

発売中
Blu-ray:2000円(税抜)
発売元・販売元:ギャガ
©2006『手紙』製作委員会

 

『凶悪』

発売中
スペシャル・プライス
ブルーレイ:2000円(税抜) DVD:1500円(税抜)
発売元・販売元:ハピネット
©2013「凶悪」製作委員会