Oct 01, 2020 column

15:独立して改めて認識した業界内の仲間作りの大切さ

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皆さんとのつながりは今も続いており、気軽に事業の相談ができるネットワークにもなっています。人材採用やビジネスモデル、投資家情報、会社の経営姿勢などの情報交換、意見交換をしながら、同じ企業家としての悩みをシェアできる貴重なネットワークとなりました。

話を戻すと、自社の企業価値を定めた資金の調達も、理論的にはわかっていることであっても実際に色々と話をして、投資家にピッチをしていくうちに要領がつかめてきます。本質的には、自分たちが、どれだけ高く説得力のある未来を描き、その力があるかというストーリーを作り、その視点に合わせた視点の高い事業を計画しその計画に基いた企業価値を示しながら、出資を募るわけです。

面白いのは、資金の調達環境は時期によって生き物のように大きく変わるということです。私が資金を調達し始めた時期は追い風の時期だったので、で知り合った友人たちが次々資金調達をするのを見て、私も準備を始めました。当時のテーマはインターネットとモバイル。

キューエンタテインメントはビデオゲームの開発会社だったので、実はインターネットやモバイルゲームの知識を持ったメンバーは当時いませんでしたが、ゲームの知識を活かしPCゲームとモバイルゲームに参入して大きく成長できるという青写真を描き、ヒットを出した場合の起業価値を算出し、ファインナンスに得意であった友人をCFOに迎えて、資金の出し手を回ります。

NILSに参加することによって、世の中の動きの中で、自分の強みと同時に伸びる領域を強く意識するようになりました。その伸びると言っている要の機能をまだ持っていないのに計画していく、逆になりたい自社を思い描いてビジネスプランをつくるという発想も必要でした。

当初は資金集めに苦労をしますが、当時のインターネットブームも追い風となり、またゲーム業界でのマネジメントの成功の記録もプラスに働き、非常に満足する価値(数十億)で資金の調達(その20%程度)を果たします。当時の状況を反映し、1社の出資者が決まると、そのあとは別の投資家やVCからの出資の営業が多くなり、断るのが大変になる状況でした。

この活動をきっかけに、自社のビジネスモデルも変わっていきます。顧客をベースにした開発の受注に加え、PCのオンラインゲーム運営とモバイルゲームへ参入をしていきます。資金の調達を通じて、会社が投資家にとって、どういう形態、ビジネスモデルであれば魅力的であるのか、自分たちの考える視点が果たして自己中心的で自分勝手なものになっていないかということを見つめるよいきっかけになりました。

起業をしている人、場合によっては考えている人は是非、自分に合いそうなVCのイベントをさがし参加しておくことをお勧めします。とくに泊りがけで行われるきちんとした集まりがおすすめです(IVS, BDash, ICCなどが老舗)。自分の意識がしっかりしていれば、独自のネットワークを構築し、同志やメンターを見つけることができ、またエンジェルやVCと話すことにより資本サイドの資金調達の選択肢について大いに知見を得ることができるでしょう。今では、私も投資家サイドとしてこのような会議に顔よく出しています。

筆者と水口哲也 / インドネシアの建築中のデータセンターにて

Entertainment Business Strategist
エンタメ・ストラテジスト
内海州史

内海州史

1986年ソニー㈱入社、本社の総合企画室に配属。その後、社内留学制度でWhartonでMBA取得。ソニー・コンピューエンタテインメントの設立、プレイステーションのアメリカビジネスの立上げに深く携わる。その後、セガ取締役シニア・バイス・プレジデントに就任し、ドリームキャストの立上げを経験。ディズニーのゲーム部門のアジア・日本代表時に日本発のディズニーゲーム作品『キングダムハーツ』の大ヒットに深くかかわる。2003年にクリエイターの水口哲也氏と共にキューエンタテインメントを設立し、CEO就任。ビデオゲーム、PCやモバイルゲームにて多くのヒットを輩出。2013年ワーナーミュージックジャパンの代表取締役社長に就任し、デジタル化と音楽事務所設立を推進。2016年にサイバード社の代表取締役社長に就任。現在株式会社セガの取締役CSO、ジャパンアジアスタジオ統括本部本部長。

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