Jan 19, 2019 column

『マスカレード・ホテル』が公開!東野圭吾作品の映像化が続く理由とは?

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東野ワールドと映像との親和性の高さ

 

以上、映画化された作品を中心に非常にざっくりと東野圭吾ワールドを紹介してみたが、二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香が三兄妹を演じた宮藤官九郎脚本ドラマ『流星の絆』(08年/TBS系)や、殺人を犯した兄のために日陰者の人生を歩むはめになった主人公を山田孝之が熱演した映画『手紙』(06年)が忘れられないというファンもいるに違いない。事件や事故に巻き込まれながらも断ち切ることができない家族の絆をメインテーマにした感動作が多いことも、東野作品が広く愛されている理由に挙げられる。また、大阪で過ごした少年時代を綴った爆笑エッセイ『あの頃ぼくらはアホでした』には高校時代に8ミリフィルムで自主映画づくりに励むなど、映画監督をかつて目指していたことが記されている。映像作品に対する憧れもあり、東野作品は読者のビジュアルイメージを喚起しやすい。東野作品が映像化されやすい要因だろう。

 

『手紙』(Blu-ray 発売中) ©2006『手紙』製作委員会

 

最後にミステリー作家・東野圭吾における最大の謎について触れておきたい。映画化、テレビドラマ化された作品だけでも、まだまだ紹介しきれないほど多い東野作品。誰もがふと疑問に感じるはずだ。どうすれば、これだけ多彩な作品群を、一人の作家が執筆することが可能なのかと。『白夜行』のヒロイン・雪穂のように、影に隠れた共犯者がいるのではないか。それとも、長澤まさみ主演作として連続ドラマ化された『分身』(12年/WOWOW)のように複数の東野圭吾がいるのだろうか。東野ワールドに魅了されればされるほど、大きな謎に直面することになる。

もし、あたなが東野圭吾の仕事場を訪ねる機会があっても、仕事場のドアをうかつに開けるのは止めたほうがいいだろう。

文/長野辰次

 

作品情報

 

『マスカレード・ホテル』

都内で起こった3件の殺人事件。すべての事件現場に残された不可解な数字の羅列から、予告連続殺人として捜査が開始された。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)はその数字が次の犯行場所を示しており、ホテル・コルテシア東京が次の犯行場所であることを突きとめる。警察はコルテシア東京での潜入捜査を決断し、新田がホテルのフロントクラークとして犯人を追うこととなる。彼の教育係に任命されたのは、優秀なフロントクラーク・山岸尚美(長澤まさみ)。次々と現れる素性の知れない宿泊客たちを前に、新田と山岸は衝突を繰り返すが、次第にプロとしてお互いの価値観を理解しあうようになる。そんな中、事件は急展開を迎え――。

原作:東野圭吾「マスカレード・ホテル」(集英社文庫刊)
監督:鈴木雅之
脚本:岡田道尚
出演:木村拓哉 長澤まさみ 小日向文世 菜々緒 生瀬勝久 松たか子 石橋凌 渡部篤郎 他
配給:東宝
公開中
©2019映画「マスカレード・ホテル」製作委員会
©東野圭吾/集英社
公式サイト:http://masquerade-hotel.jp/

 

 

原作本

 

©東野圭吾/集英社

『マスカレード・ホテル』東野圭吾/集英社文庫

累計355万部を突破した、東野圭吾作品の中でも高い人気を誇る「マスカレード」シリーズの第一作。素性の知れない宿泊客を刑事として疑う新田と、ホテルマンとして信じる山岸という異色のバディが、ホテルで起こる難事件に挑む。他のシリーズ作品に、新田と山岸が出会う前の物語『マスカレード・イブ』、最新作『マスカレード・ナイト』がある。

 

 

関連作品

 

『祈りの幕が下りる時』

通常版 Blu-ray:4800円(税抜) DVD:3800円(税抜)
豪華版 Blu-ray:6700円(税抜) DVD:5700円(税抜)
発売中
発売元:TBSテレビ 販売元:ポニーキャニオン
©2018映画『祈りの幕が下りる時』製作委員会

 

 

『手紙』

Blu-ray:2000円(税抜)
発売中
発売・販売元:ギャガ
©2006『手紙』製作委員会