日本でも視聴できる『ジュディ・ブルームよ永遠に』
Amazonプライムビデオで配信されているのが、作家ジュディ・ブルームの人生を描いたドキュメンタリー映画『ジュディ・ブルームよ永遠に』。前半の原作権獲得でジュディの心を動かしたのが監督からの手紙だったが、手紙とジュディ・ブルームには深い因果関係がある。長年のファンレターとジュディ・ブルームの返事をまとめた通信文書は現在、米イェール大学図書館に大切に保管されている。1952年から2018年の作家の活動記録とともに、132箱に保管された作家の出版の記録は米歴史の重要な文化遺産。ドキュメンタリー映画では、それらの手紙を通して、作家の書いた本がどのように、当時の少女たちを勇気づけ、悩みを抱えた少女たちの心の支えとなったかなど、作家と読者たちの絆が何十年たったあとでも息づいている点などに焦点が当てられている。80年代、映画『ブレックファスト・クラブ』などで青春映画のナンバーワンとされた女優モリー・リングウォルドほか、著名人へ与えた影響なども含め、作家ジュディ・ブルームが #METOO 以前の米女性たちの味方だったことが分かる。
さらには、作家自身が3度目の結婚に至るまでの女性としての葛藤、80年代レーガン保守派政権時代に経験した書籍排除に関する抗議の歴史映像とともに、ジュディ・ブルームが自ら経営するフロリダ、キー・ウェストの本屋を中心に、禁書反対、発言の自由賛成を訴えている様子などがまとめられたヒューマンドキュメンタリーとなっている。ディレクターは女性監督の2人組ダビーナ・パルドとリア・ウォルコック。エグゼクティブ・プロデューサーは『ビューティフル・マインド』のロン・ハワードとブライアン・グレイザーで、彼らのイマジン・エンターテイメントのドキュメンタリー部門で製作され、現在、最もホットな米国分断の新たな火種を考えさせられる映画の一つとなっている。
文 / 宮国訪香子
本作「ジュディ・ブルームよ永遠に」では先進的な作家であるジュディ・ブルームの功績とその人生に迫る。徹底的なまでに正直な描写で知られるジュディ・ブルームの本は何百万人もの読者の自分自身への理解、思春期への理解、性に対する理解へのあり方に革命を起こした。 タブー視されるテーマをオープンに議論するという彼女の大胆不敵な使命が、禁書運動、検閲、10代の性に関する発見をめぐる真の議論と対話への道を切り拓いたのだ。
監督:ダビーナ・パルド、リア・ウォルコック
出演:ジュディ・ブルーム
© 2022 Prime Video
配信中
視聴サイト Amazon Prime Video