Feb 28, 2023 column

第26回:トム・クルーズが主役!? アカデミー賞ノミニーズ・ランチョンに出席したハリウッドスター、そして監督達

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来月3月12日(現地時間)に行われる第95回アカデミー賞授賞式の前に、ノミネートされたスターが恒例のアカデミー賞前、昼食祝賀会に集まった。今年最大人数182人の映画関係者が会場のザ・ビバリー・ヒルトンへと、コロナも落ち着いて出席率は最高。最もシャッターを浴びたスターは『トップガン マーヴェリック』のトム・クルーズ。主演女優賞の有力候補ミシェル・ヨー、主演男優賞初ノミネートの主演男優オースティン・バトラーとパチリ。どの写真を見ても、自身に満ちた満面の笑顔のトム・クルーズが輝いている。

とくに話題だったのは、スピルバーグ監督とのツーショット。昔、映画『宇宙戦争(原題:War of the Worlds)』での不仲が噂になったこともあった大物2人の再会。笑顔の写真の裏側では、スピルバーグ監督が配信サービスに対して募らせていた本音をぶちまけるシーンもあり、「君の『マーヴェリック』がコロナ禍で低迷していたハリウッドを救ったんだ」と、トムがプロデュースしている『トップガン マーヴェリック』の功績を公に称えたのである。

プロデューサーでノミネートされたトムに、多くの記者たちが磁石のように引き寄せられた今年の昼食祝賀会。話題のスターと監督賞たちの作品に焦点を当ててみた。

©AMPAS
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『トップ・ガン マーヴェリック』プロデューサーのトム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督

クリストファー・マッカリー監督の名を知らない人でも、彼が『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家であったといえば、十分に納得する人も多いはず。当時は気鋭ブライアン・シンガー監督と組んでいたが、シンガー監督の不祥事とともに、『ウルヴァリン』シリーズ最後の脚本クレジットまで消された過去をもつ。

しかし、映画『ワルキューレ』で脚本家だったマッカリーは、主演を演じていたトム・クルーズと意気投合。当時、アカデミー賞ねらいの作品に注目し、中途キャリアが低迷していたトム・クルーズだが、アクション俳優として長く続けられるシリーズを新たに模索。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のスクリプトドクターとして招かれたマッカリーは、より共感できる主人公イーサン像を作り上げることに成功。以来、2人のチームワークはお互いのキャリアを建て直し、パワフルにカムバックしたのである。2人は『トップガン マーヴェリック』のプロデューサーとして、マッカリーは同映画脚色賞にノミネートされた脚本家として、この昼食祝賀会に参加したのである。

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『トップガン マーヴェリック』につづき、今年7月14日に公開されるトムの期待作が『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。おなじみの助演俳優サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソンを迎え、脚本、監督、プロデュースまで務めるのがマッカリー監督。”PART TWO”は来年2024年7月公開予定。今年『ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー』で助演女優賞最有力と囁かれている女優アンジェラ・バセットも、トムとマッカリー監督とは『ミッション:インポッシブル/ファールアウト』で仕事をした仲でいわば同窓生。

トムとマッカリー監督は、このシリーズ以外にも、トム主演宇宙映画を準備中ということで、噂ではNASAと連携して、実際に宇宙での撮影まで考えているそうだ。シリーズを重ねて、アクションのハードルも上がっていくことで有名なトム・クルーズ。『ミッション:インポッシブル』シリーズは『トップ・ガン マーヴェリック』を超える劇場動員が期待できるのか、この夏、ハリウッド業界大注目の期待作である。