Netflix、Amazon、HBO…ファンタジー大作を続々製作
こうしたイマジネーションを刺激する非現実的な世界観のなかで、リアルな人間ドラマを堪能できるのが近年のダークファンタジーの魅力だが、見応えのある作品はまだまだある。
快進撃を続けるNetflixでは、ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキの小説シリーズで、人気ゲームの原作でもある『ウィッチャー』を『マン・オブ・スティール』(13年)のヘンリー・カヴィル主演でドラマ化。人間やエルフ、ドワーフやハーフリングなどさまざまな種族が共存する世界で、怪物を狩るウィッチャーの男、リヴィアのゲラルトを主人公に、ダークで熾烈な戦いの日々が描かれている。中世ヨーロッパ的な世界観などは、まさに現在のダークファンタジーの王道だ。
一方、これぞアメリカなダークファンタジーが『ロック&キー』だ。スティーヴン・キングの息子ジョー・ヒル原作の小説をドラマ化した本作は、亡くなった父親の実家に越してきた一家の子どもたちが、屋敷に隠されていた魔法の鍵を見つけたことから、父の死の真相に迫っていくミステリーを描いたもの。製作を手掛けるのは『LOST』のカールトン・キューズ、原作者のヒルも製作に加わり、一筋縄ではいかないドラマになっている。
Netflixではさらにファンタジー小説の傑作『ナルニア国物語』のドラマ化にも着手。こちらも映画版では壮大な世界観を描ききれなかったので、ドラマ版への期待が一層高まっている。
Amazonでは昨年、オーランド・ブルームとカーラ・デルヴィーニュ主演で、ネオノワールファンタジー『カーニバル・ロウ』をスタートさせたが、やはり大本命はNetflixとの熾烈な争奪戦を繰り広げたドラマ版『ロード・オブ・ザ・リング』だろう。少なくとも5シーズン製作だとか、アラゴルンを主人公にした映画版の前日譚だとか、来年にはリリースされるのかなど、さまざまな噂が流れるが、それも期待値の大きさを表している。
またHBOではこのダークファンタジー人気を決定付けた『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフ、『House of the Dragon(原題)』も控えている。バトルエピソードの名手ミゲル・サポチニクもショーランナーとして参加するシリーズだけに、新たな伝説の幕開けとなるかいまから注目されている。
大型作品が続々登場し、まさにダークファンタジー戦国時代に突入といった感のあるドラマ界。果たして次なる『ゲーム・オブ・スローンズ』となるのはどの作品か。当分このジャンルから目が離せそうにない。
文/幕田千宏
ライラ(ダフネ・キーン)は私たちとよく似た世界に暮らす少女。この世界では人間の魂はダイモン(守護精霊)と呼ばれ、動物の姿をしており、人間とダイモンは強い絆で結ばれている。一方、この世界は何世紀にもわたり、あらゆる権力を握るマジステリアムに支配されてきた。ライラは何者かにさらわれた子どもたちを救うため、黄金の羅針盤を手に北極へと向かう。冒険の先で、ライラを待ち受ける運命とは――?
原作:フィリップ・プルマン『ライラの冒険』三部作
製作総指揮:ジェーン・トランター、フィリップ・プルマン ほか
出演:ダフネ・キーン、ルース・ウィルソン、ジェームズ・マカヴォイ、リン=マヌエル・ミランダ、ルウィン・ロイド、クラーク・ピーターズ、アン・マリー・ダフ、ジェームズ・コスモ、ルシアン・ムサマティ、アリヨン・バカレ ほか
Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信中 ※字幕版:毎週火曜 1話ずつ更新中/吹替版:2月21日(金)~毎週金曜 1話ずつ更新
BS10 スターチャンネルにて放送中 ※字幕版:毎週月曜23時ほか/吹替版:2月20日(木)~毎週木曜22時ほか
全8話
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