Feb 20, 2020 column

ダークファンタジー戦国時代に突入!次なる『ゲーム・オブ・スローンズ』はどのドラマ?

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昨年、世界中を席捲した大河ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』がファイナルを迎え、次なるGOTを狙うダークファンタジーが続々と製作されている現在のドラマ界。壮大な世界観を持つダークファンタジーというジャンルにおいて、じっくりとストーリーを描けるドラマというフォーマットは好相性。ピークTV時代のいま、かつてより予算も潤沢になり、映画並みのスケール感を持つ作品もいまや珍しくなくなった。そんなハイ・クオリティ・ファンタジーの期待の1作が、『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』だ。本作をはじめ、今後次々と登場するダークファンタジーの大作ドラマをご紹介する。

HBO×BBC×豪華布陣のファンタジー巨編

世界的なベストセラー小説『ライラの冒険』シリーズを原作に、『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBOと『SHERLOCK/シャーロック』の英国BBCがタッグを組み、英国TV史上最高額の制作費を投じた本作の舞台は現実世界によく似た世界。この世界の秘密を巡ってさまざまな思惑がうごめくなか、大きな運命を背負った少女ライラの冒険を壮大なスケールで描き、英国では5年ぶりに最高視聴率を更新している。

すでにシーズン2の製作も決定していることからも、本作がいかに力作かが分かるというものだが、スタッフ・キャストにも豪華な顔ぶれが並ぶ。映画『レ・ミゼラブル』(12年)や『英国王のスピーチ』(10年)のオスカー監督トム・フーパーが製作総指揮と第1話、2話の監督を務め、キャストには主人公ライラに『LOGAN/ローガン』(17年)で注目を集めたダフネ・キーン、ライラの叔父アスリエル卿に原作の大ファンだというジェームズ・マカヴォイ、ミステリアスなコールター夫人に『刑事ジョン・ルーサー』や『アフェア 情事の行方』のルース・ウィルソンという実力派キャストが集結。さらにトニー賞最多記録を打ち出したミュージカル『ハミルトン』で脚本・作詞・作曲・主演を務めたリン=マヌエル・ミランダや、『ゲーム・オブ・スローンズ』でジオー・モーモントを演じたジェームズ・コスモらが脇をガッチリと固めるという最強布陣になっている。個性豊かな彼らの熱演だけでも観る価値は大だ。

2007年に映画化された際にもそのビジュアルの美しさが高く評価されていた同作だが、今回のドラマシリーズでも映像美が存分に堪能できる。人間、魔女、はては熊までさまざまな種族が共存するこの世界で、飛行船が飛び交うオックスフォードの街並み、荘厳な美しさを持つ北極の世界、鎧い熊、パンサービョルネの力強さ、そしてダイモンと呼ばれる言葉を話す動物たちの生き生きとした存在感、そのどれもが観る者を異世界へと誘ってくれる。