Apr 13, 2019 column

世界が注目するティモシー・シャラメ、必見作からファン対応までその魅力を徹底解説!

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『君の名前で僕を呼んで』(17年)で世界中から注目される存在となったティモシー・シャラメ。最新作『ビューティフル・ボーイ』(18年)では、ドラッグ依存で破滅の道を突き進む青年ニックという難しい役にチャレンジしている。圧倒的な美しさと確かな演技で人気ハリウッドスターの仲間入りを果たした彼が、何故これほどまでに映画関係者のみならず世界中の人々から愛されるのか、その魅力を紐解いてみる。

ドラッグ依存を見事に体現、役者として新たな魅力が開花

ティモシーへの期待が高まるなか公開される最新作『ビューティフル・ボーイ』は、8年という長い歳月をかけてドラッグ依存を克服し、現在はNetflixのドラマ「13の理由」の脚本家として活躍するニック・シェフと彼を支え続けた家族の物語を描いた作品。8年間の軌跡をニックと父親のデヴィッドそれぞれの視点から描いた2冊の回顧録を、これまで『ムーライト』(16年)や『それでも夜は明ける』(13年)などを手掛けてきたブラッド・ピット率いるプランBエンターテインメントが映像化したものだ。

主人公の青年ニックはもともと優等生でスポーツ万能、読書家で文章を書く才能まで持ち合わせていたが、義理の母や幼い弟と妹たちにとって“良い息子であり優しい兄”であることと、父親の期待に応えたいというプレッシャーからドラッグに手を出してしまう。その結果、ドラッグ依存になり父親から更正する機会を与えられるが、薬抜きをした後も再びドラッグに手を出し、破滅的な道へと進んでしまうニック。変わってゆく息子と諦めない父デヴィッドの姿に胸を打たれる感動作となっている。

ニックを演じるためにティモシーは9キロ減量し、クランクイン前にはドラッグをやっている時にどんな状態になるのかYouTubeを見て研究したり、ニック本人と一緒に過ごすことで役作りのヒントを得たという。普段の華やかなオーラを封印し、ドラッグ依存が酷くなるにつれてニックが覇気をなくしていく様子や、ハイとローの感情の変化を見事に体現しているのはさすがと言える。だが大げさな芝居をしているわけではなく、目の動きや仕草、歩き方や話し声などのちょっとした変化でニックの苦しみや葛藤を丁寧に、そして繊細に表現しているところがティモシーの素晴らしさである。

父デヴィッドを『フォックスキャッチャー』(14年)や『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(15年)などに出演している名優スティーヴ・カレルが演じているのだが、彼もまた息子を心から愛し、ドラッグ依存から立ち直らせようとする父親の心情を深みのある芝居で見せている。スティーヴは「ティモシーを好きにならないなんて不可能だ。彼はファニーで頭が良くて才能豊か」とコメントしており、ティモシーもまた「すぐに心を癒してくれるお父さんの雰囲気を感じたよ。彼に会う時にファンとしてふるまわないように気をつけた」とコメントしている。そんな二人が親子という役柄で対面して気持ちをぶつけ合うシーンを見ていると、キャリアを超えた互いへのリスペクトが伝わってくる。二人の対峙シーンと感動のラストは本作の見どころと言えるだろう。ニックを演じたことで役者としての新たな魅力を開花させたティモシーだが、「麻薬中毒者を演じられる凄い役者だと思われるのは嫌だ」と、とある雑誌でコメントしているところもまた興味深い。

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