Jan 04, 2024 column

2024年のオススメ映画 [国内編] 今年チェックすべきトピック6選

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『52ヘルツのクジラたち』
誰にも届かない声で泣く者たちの切なる愛

2021年本屋大賞を受賞し、85万部を売り上げるたベストセラー小説「52 ヘルツのクジラ」が映画化。最旬キャストが結集し映画『52 ヘルツのクジラたち』が2024年3月1日より全国公開される。
「52 ヘルツのクジラ」とは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。

主演の杉咲花が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年と出会う。彼との出会いが呼び覚ますのは、貴瑚の声なき SOS を聴き、救い出してくれた、今はもう会えない安吾との日々だった――。愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む、切なる愛の物語。メガホンを取るのは、『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の名匠・成島出。

あらすじ
ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えないアンさんとの日々だったー。

2024年3月1日 公開

監督:成島出 原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)
主演:杉咲花
配給:ギャガ ©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
公式サイト 52hz-movie

変な家
大人気動画から端を発した新感覚”間取り図”ミステリー


77万部超えのベストセラーとなった謎の覆面作家、雨穴による同名小説を映画化。『変な家』が2024年3月15日に全国公開される。「読み出したら止まらない」と大反響を呼んだ原作は小説の新ジャンルともいえる不動産ミステリーだ。

ことの発端は2020年10月にYouTubeにアップされた動画「変な家」。間取りを注意深く見るとわかる違和感と、そこから徐々に明らかになる真実が話題を呼び、現在の総再生数が1500万回を突破する大人気動画だ。そして、2021年7月にはYouTube動画をもとに、原作者・雨穴が物語の続きを大幅に書き加えたものが、本作の原作となる。

売れないオカルト専門の動画クリエイターの雨宮(雨男)がマネージャーから、購入予定の家の間取りについて不可解な点があると相談を受けるところから始まる本作。ひとつの変な間取りから始まる物語は謎が謎を呼び、やがて彼とバディを組む設計士の栗原が、次々と事件に巻き込まれていくゾクッとするミステリーとなっている。

監督を務めるのは、持ち前のエンターテインメント性と高い手腕で『変な家』を新感覚ミステリーとして描き出す石川淳一。主人公で売れないオカルト専門の動画クリエイター・を演じるのは間宮祥太朗。雨宮とバディを組み間取りの謎に迫る一風変わった設計士・役を佐藤二朗が演じる。そして本作のヒロインで間取りの謎のカギを握る謎の人物に川栄李奈と個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる謎解きに注目あれ。

あらすじ
“雨男”の名前で活動する、オカルト専門の動画クリエイター・雨宮(間宮祥太朗)は、マネージャーから、引越し予定の一軒家の間取りが“変”だと相談を受ける。そこで雨宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の変人設計士・栗原さん(佐藤二朗)にこの間取りの不可解な点について意見を聞いてみることに…。次々と浮かび上がる奇妙な“違和感”に、栗原さんはある恐ろしい仮説を導き出す。そんな矢先、ある死体遺棄事件が世間を騒がせる。その現場は、なんとあの【変な家】のすぐ側だった。事件と家との関連性を疑った雨宮は、一連の疑惑を動画にして投稿することに。すると、動画を見た「宮江柚希」なる人物(川栄李奈)から、この家に心当たりがあるという連絡が入る。柚希と合流したことで、さらに浮上する数々の謎。そして新たな間取り図。やがて二人は、事件の深部へと誘われていく。紐解かれていく間取りの謎の先に、浮かび上がる衝撃の真実とは─。

2024年3月15日 公開

監督:石川淳一 / 原作:雨穴「変な家」(飛鳥新社)
出演:間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈
配給:東宝 ©2024「変な家」製作委員会 

公式サイト hennaie

『四月になれば彼女は』
初共演の3人が紡ぎ出す心に刺さる純愛映画

世界28カ国で出版され200万部を超えるベストセラーとなった「世界から猫が消えたなら」や、自らの小説を原作とし、脚本・監督を務め、第70回サン・セバスティアン国際映画祭にて日本人初となる最優秀監督賞を受賞した『百花』など、数々の話題作を生み出してきた川村元気。その川村が執筆した35万部突破のベストセラー恋愛小説「四月になれば彼女は」(文春文庫)が2024年3月22日に公開される。

本作の監督は、米津玄師「Lemon」、藤井風「青春病」、宇多田ヒカル「Gold ~また逢う日まで~」など、多くの伝説的ミュージックビデオを演出し、本作で長編映画に初めて挑戦する山田智和。撮影監督は、『新聞記者』『余命10年』などを手掛けた今村圭佑、音楽は『スワロウテイル』『ラストレター』など岩井俊二監督作品の映画音楽でも傑作を生み出してきた小林武史。今もっとも旬&実力派のクリエイター陣が集結し、圧倒的な映像美と世界観を作り上げた。

婚約者との結婚を控えた精神科医の主人公、藤代俊を演じるのは、主演・佐藤健。結婚を直前に控えて謎の失踪を遂げる藤代の婚約者、坂本弥生を演じるのは、長澤まさみ。そして藤代が10年前に交際していた初恋の女性で、世界中を旅しながら藤代に手紙を送る伊予田春には森七菜。初共演となる3人が史上最高峰のスケールで描かれる純愛映画を紡ぎだす。

佐藤演じる藤代が通うバーの店長を演じる、仲野太賀。藤代と春の大学時代の写真仲間であり、写真部部長に中島歩が好演。長澤演じる弥生の妹には河合優実。藤代の勤める大学病院の同僚にともさかりえ。そして、森演じる春の父親で、唯一の家族を竹野内豊が演じ、“心に刺さる”ラブストーリーをさらに彩る豪華キャストが、それぞれの愛を探し求める役どころを熱演する。

あらすじ
四月。精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、かつての恋人・伊予田春(森七菜)から手紙が届く。“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚の準備を進めていた。けれども弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」その謎掛けだけを残して――
春はなぜ手紙を書いてきたのか? 弥生はどこへ消えたのか? ふたつの謎はやがて繋がっていく。
「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ、やがては消えていってしまうのだろう」
現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人の真実の姿を探し求める“四月”が始まる。

2024年3月22日 公開

監督:山田智和 / 原作:川村元気「四月なれば彼女は」(文春文庫)
出演:佐藤健、長澤まさみ、森七菜
配給:東宝 ©2024「四月になれば彼女は」製作委員会
公式サイト 4gatsu-movie