斬新な映像とアイディアで人種差別を鋭く描き、鮮烈な監督デビューを飾った『ゲット・アウト』(17)、前作同様に深いテーマを提唱し大ヒットを記録した『アス』(19)。自ら製作、脚本、監督をこなし、『ゲット・アウト』では第90回アカデミー賞で脚本賞も受賞したジョーダン・ピールの約3年ぶりの待望の最新作、映画『NOPE/ノープ』。
この度、ピール監督や田舎町で牧場を営む兄OJを演じるダニエル・カルーヤ、その妹エメラルドを演じるキキ・パーマーが、作品の核にある2人の兄妹の物語について語る特別映像が公開された。
本作の物語は、映画やテレビの撮影に使われる馬の調教が行なわれている牧場を経営するOJの父が、飛行機の落下物によって事故死するという悲劇から始まる。目の前に居合わせたOJはその“最悪の奇跡”を受け入れられず、同時に空に現れた巨大な飛行物体を一瞬目撃し、そのことを異様に思っていた。亡き父の後を継ぎ牧場主となったOJだが、もともと苦しかった経営はさらに悪化。そんな中、目撃した飛行物体らしき“何か”が再び現れ、やがて真の“最悪の奇跡”を巻き起こしていく。
映像内でキャスト陣が語るように、寡黙で曲がったことを嫌い、人知れず独りで穏やかに過ごすのを好む兄OJ、公衆で脚光を浴びることを好み、自由奔放で外交的な妹エメラルドと、全く異なる性格を持ち、ろくに連絡も取り合ってこなかった2人は、最悪の状況下のなかで互いの絆=兄弟愛に気づいていく。
「この作品の核にあるのは兄妹の物語であり、繋がりのない状態から、互いを理解し合って、互いをずっと見ていたと認め合う状態へと変わるふたりの力を紡いでいる。もちろんこれはスペクタクルや、僕ら人間がつい抱いてしまうスペクタクル依存についての映画だけど、自分を見てほしい、ありのままに認めてほしいという内なる思いについても描いている」とピール監督は補足している。
さらに、この全く真逆な性格の兄妹は、映画業界の実態だけでなくピール監督自身の二面性も反映しており、「僕はプライバシーを大事にしたい。大勢の人が一斉に振り返って僕を見るなんてことがあったら恐怖だよ。たいていの人がそう感じるのではないかな。なのに、こうして人前に出るような仕事に就いてしまった。そういう要素がとんでもない形で隣り合わせになっている僕の人生が、このキャラクターたちを通して描かれてもいる。」とピール監督は明らかにしている。
映画『NOPE/ノープ』は、8月26日(金)より全国公開。
ハリウッド唯一の黒人経営でもある牧場を営む男女。夜、広大な敷地を誇る牧場で、馬を連れて歩く男が遥か先に光り輝く物体を見つける。すると突然、悲鳴を上げた馬が光に目掛けて駆け出す。空を見上げ始める人々、暗がりの空に飛翔する物体、人に近い何者かとの接触、吹き上がる荒野の砂埃、そして広大な荒野を覆う巨大な影、不穏な空気に包まれる田舎町。突如崩壊した自室の天井から、脱出した女性が、悲鳴を上げながら晴天の空に吸い込まれていく。果たして、スリラーの新旗手ジョーダン・ピール監督が描く衝撃的な“最悪の奇跡”とは何か?
監督・脚本:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン、マイケル・ウィンコット、ブランドン・ペレア他
配給:東宝東和
©2021 UNIVERSAL STUDIOS
2022年8月26日(金) 全国公開
公式サイト nope-movie.jp