世界で最も売れた歌手、エルヴィス・プレスリー。斬新な音楽とダンスで世界中を熱狂させ、音楽界に衝撃を与えた大スターだ。彼がいなければ、ビートルズも、クイーンも存在しなかった。
「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれる彼の型破りな生き様を描く映画『エルヴィス』。日本では7月1日(金)に全国公開される、圧巻のライブパフォーマンスと共に描く今年大注目の音楽映画だ。
かつてなく破天荒で世界中で愛されているエルヴィスの真実の物語を、「監獄ロック」ほか、誰しも一度は耳にしたことのある数々の名曲に乗せて、『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン監督が映画化。
エルヴィス役に大抜擢されたのはティーンに絶大な人気を誇るオースティン・バトラー。そしてエルヴィスの才能をいち早く見つけた強欲マネージャートム・パーカー役を、2度のアカデミー賞受賞俳優トム・ハンクスが演じる。
全編ほぼ吹替なし、圧巻のライブシーン
『ボヘミアン・ラプソディ』に次ぐ傑作との呼び声も高い本作が、第75回カンヌ国際映画祭アウトオブコンペ部門に出品され、5月25日(日本時間26日早朝)に、ワールドプレミアとして世界で初お披露目。
本年度最注目のミュージック・エンタテイメント映画として注目を浴びる本作に対し、世界中から数多くのマスコミが集まり、レッドカーペットの周りは、カメラで溢れかえり、大きな盛り上がりを見せた。
黒のタキシード姿のオースティン・バトラーと黒スーツ姿のトム・ハンクス。そして妻のキャサリン・マーティンがデザインしたというダイヤモンドとルビーがあしらわれた「ELVIS」と刻まれた煌びやかなベルトを装着した姿のバズ・ラーマン監督、エルヴィス・プレスリーの元妻リサ・プレスリーらが登場すると、会場からは大きな歓声が沸き起こり一斉にフラッシュがたかれた。
初お披露目の注目は、何といってもオースティンのパフォーマンス。約3年かけ徹底的にエルヴィスの研究を重ね て挑んだ、ほぼ全編吹替えなしのライブシーンは圧倒的で、会場は絶賛の声で溢れた。
さらにエルヴィスを スターダムに押し上げながらも、彼のすべてをコントロールしようとした悪名高いマネージャーのトム・パーカーを演じたトム・ハンクスの迫真の演技。
そして音楽で世界を変えた男の真実を、絢爛豪華なビジュアルと圧巻のライブシーンでまとめ上げたバズの手腕にも高い評価が集まった。
公式上映後は本年度のカンヌ国際映画祭では最長となる12分間のスタンディングオベーションが起こり、バズ監督とオースティンは、目にうっすらと涙を浮かべ、感無量の様子をみせた。
鳴りやまない拍手に包まれたオースティンは、まるでエルヴィス・プレスリーが空から見守っているとでも言うよ うに上を指差し、感動した面持ちで宙を見上げた。
上映後のアフターパーティーでは、300機の光るドローンが飛ばされ、エルヴィス・プレスリーを象徴する“TBC” のマークやエルヴィスのシルエットが夜空に描かれ「こんな演出はカンヌ史上初!」と司会者を驚かせるほどのド派手な演出がなされ、会場を盛り上げた。