角川映画45年記念企画として、巨匠・市川崑が監督を手掛けた『犬神家の一族』の4Kデジタル修復版初披露を含め、現在の日本映画界に影響を与えた一流の監督たちの作品31作品が一挙劇場公開される「角川映画祭」。
この度、『犬神家の一族』の4Kデジタル修復の軌跡を追いかけたメイキング映像が公開された。
今回の修復作業で目指したのは、“いつしか失われてしまった、市川監督が目指した本当の色・映像美”をもう一度再現すること。過去何度も映像ソフト化されているが、その度に色味や画面サイズの比率が変更されることも多く、議論を呼んでいた。その時々の技術の特性やトレンド、フィルムの劣化状況による選択の結果、オリジナルから徐々に遠ざかってしまったとも言えるこれまでの修復作業の過程を改めて見直し、当時、市川監督の作品を編集という立場から支えたスタッフも協力し、修復作業が行われた。
アニメーターとしてキャリアを出発し、照明やアングル、ときに編集まで自分でこなした名監督・市川崑が「タイミング(作品のトーンを形成する作業)だけは自分じゃできない」と言わしめた、市川監督の映像美の裏を支えた匠たちの技と執念の模様が捉えられている。
『犬神家の一族』をはじめ、日本映画の歴史を変えた角川映画の傑作が一挙上映される「角川映画祭」は11月19日(金)よりテアトル新宿、EJアニメシアター新宿ほかにて全国順次開催。
開催情報
角川映画祭