コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第146回
俳優のディーン・フジオカが、10月3日に綱町三井倶楽部で行われた、映画『鋼の錬金術師』の完成報告会見に出席した。
原作は荒川弘氏による大人気コミック。その実写映画化に挑戦したのは、『ピンポン』(2002年)の監督であり、ジェームズ・キャメロン監督の下『タイタニック』(1997年)のCGも手掛けた、映像のスペシャリストとしても知られる曽利文彦監督。
完成した映画を鑑賞した荒川先生は「観た瞬間、「エドがいる!」って驚いて、冒頭からアクション全開で一気に世界観に引き込まれました。原作ファンの皆さんにも「こう来たか!こう来たか!」って、全編飽きることなく、楽しんで頂けると思います」と、絶賛のコメントを寄せ、曽利監督も「荒川先生が完成した作品を観た時は、満面の笑みでガッツポーズが出るくらいだったので本当に嬉しかったです」と、興奮冷めやらぬといった様子だった。
そんな大注目の本作で、特に人気の高いキャラクターである【ロイ・マスタング】を演じたのがディーン・フジオカである。 ディーンは冒頭の挨拶で「大きく扱ってください!(笑)。後悔させないくらい大きくて、心に深く残るものが描かれていると思います」と訴え、日本だけでなく国外にも作品が届くことを願っていた。
また、ディーンは、素晴らしいのは映像だけではないとしながら、「兄弟の物語や自己犠牲、セルフレスな思いというものが伝わってきて、そっちの方が心に残っています」と語ると、自身が演じた役柄については「軍人役は初めてです。肉体的に増量したりして、自分にとっても新しいチャレンジでした」と振り返っていた。
そう真摯に語るディーンの姿に、主人公【エドワード・エルリック(エド)】役の山田涼介は「ディーンさんがすげぇカッコいいんですよ。横に立つのがツラいです(笑)。一緒に仕事をして刺激を受けることが本当に多かったです」と、尊敬の眼差しを向けると、対するディーンは「山田君の顔ってずっと見ていたい感じだよね」と、アヤシイ視線を送っていた。
そして、2人のイケメンに挟まれた、【ウィンリィ・ロックベル】役の本田翼は「こっちを見たら山田君で、こっちを見たらディーンさんで、目の保養になります。今すごく幸せです(笑)」と、キラキラと瞳を輝かせていた。
会見にはその他、出演の松雪泰子が出席した。
映画『鋼の錬金術師』(ワーナー配給)
映画『鋼の錬金術師』(ワーナー配給)は、物質の構成や形状を変化させて新たなものに作り変える「錬金術」が存在する世界を舞台に、エドワード(エド)とアルフォンス(アル)兄弟の過酷な旅を描いた、荒川弘による大人気コミックを実写映画化した作品。
監督:曽利文彦 出演:山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多、國村隼、石丸謙二郎、原田夏希、内山信二、夏菜、大泉洋、佐藤隆太、小日向文世、松雪泰子 ほか