コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第131回
人気若手俳優の高杉真宙が、9月1日にTOHOシネマズ 新宿で行われた、映画『トリガール!』の初日舞台挨拶に登壇した。
主人公の【鳥山ゆきな】を演じた土屋太鳳が「すごく深い夏でした。英(はなぶさ)組は最高で、プロとしての毒も魅力的でしたし、誠実な緊張感もあり、試行錯誤しながら演じることができました。土屋太鳳自体も解き放たれました!!」と、元気いっぱいに挨拶すると、劇中での関係同様、【坂場大志】役の間宮祥太朗からすかさず「夏に対して“深い”と表現する新しさというか斬新さ!」と、ツッコミを入れられていた土屋だった。
また、【島村和美】役の池田エライザは「間宮君と太鳳ちゃんが格闘しているような台本だったので、その中で私は何をやろうかなと思っていたんですが、和美の立ち位置って唯一ヒロインっぽくないですか? 恋したり、奥ゆかしかったり。私は太鳳ちゃんのそばにいるだけでいいと思ったので何もしてないです(笑)」と、楽チンな撮影を振り返っていた。
そんな中、一人だけ“真面目”なキャラクターだったのが、高杉真宙演じる【高橋圭】。 【圭】は【ゆきな】が一目惚れし憧れを抱く先輩で、「人力飛行サークル」に入部する“きっかけ”を作ってしまう罪な男なのだが、高杉は「すごくライブ感があって、みんなのキャラクターもどんどん濃くなっていくんですけど、自分はそれを止める役だったので、場を崩すのが怖かったですし、羨ましい気持ちが強かったです」と、若干の仲間外れ感を嘆いていた。
それには、メガホンを執った英勉監督も「間宮君は勝手にやってるし、今日はいないですが矢本悠馬君(【古沢】役)も勝手にやってるし、エライザちゃんも勝手にやってるし、真面目なのは真宙君だけでしたね」と同調していた。
ただ、池田によると、高杉のキャラクターが「一番狂気じみてた」とのことだった。
映画『トリガール!』(ショウゲート配給)
映画『トリガール!』(ショウゲート配給)は、一目惚れした先輩に誘われて人力飛行サークルに入部するハメになった女子大生を主人公に、「鳥人間コンテスト」に挑む若者たちの青春を描いた、中村航による同名小説を映画化した作品。
監督:英勉 脚本:高橋泉 出演:土屋太鳳、間宮祥太朗、高杉真宙、池田エライザ、矢本悠馬、前原滉、佐生雪、羽鳥慎一、ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)、轟二郎、ひこにゃん ほか