綾瀬はるか、當真あみ、細田佳央太、菅田将暉、妻夫木聡、佐藤浩市など豪華キャストを迎えた、石井裕也監督の最新作、映画『人はなぜラブレターを書くのか』の公開が決定した。
本作の元となったのは、ある一つの“実話”。2000年3月8日に発生した地下鉄線脱線事故により、当時高校生だった富久信介さんが犠牲となった。それから20年経った2020年、一通のラブレターが信介さんのご家族の元に届く。その手紙は、毎朝、信介さんと同じ時間、同じ車両で通学し、彼に密かな想いを寄せていたという女性から送られてきたもので、ご家族は驚きと嬉しさ、同時にそれ以上の哀しさを噛み締めつつ、息子の知られざる青春の断片と成長を知ることとなった。
この奇跡の実話に惹かれ、本作の監督・脚本・編集を務めたのは、『舟を編む』が史上最年少の第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品に選出された石井裕也。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』では、第67回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に選出、第12回アジア・フィルム・アワードで監督賞を受賞するなど、国内外から熱い期待を寄せられる若き名匠。“なぜ、女性は20年ぶりに想いを伝えようと思ったのか”石井監督はスポーツ紙の記事からその動機に強く興味を持ち、今作のプロットをすぐに書き上げた。石井監督は「素晴らしいキャスト、信頼するスタッ フたちと共にこの作品を作りました。みんなの思いや力が奇跡的に混ざり合って、結果的に凄い映画が完成しました」と語る。

そして、主人公・寺田ナズナを演じたのは、石井裕也監督とは初タッグとなる国民的俳優・綾瀬はるか。主演を務めた『海街diary』は第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出。「八重の桜」「義母と娘のブルース」シリーズなど、数々の作品で記憶に残る演技を披露し、そのたびに観客の心を掴んできた彼女が今回演じるのは、夫と娘と郊外に暮らすいつも明るく定食屋を切り盛りする女性。あることをきっかけに、青春時代を思い出し、手紙をしたためる。
24年前の学生時代のナズナを演じるのは、今年、ドラマ「ちはやふる-めぐり-」で連続ドラマ初主演、映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』で長編映画初主演を果たした注目の若手女優、當真あみ。信介役には、石井がメガホンを取った『町田くんの世界』で1000人以上の中から主演に抜擢され、数々の賞に輝いた細田佳央太。進学校に通いながらもボクシングに打ち込んだ信介を演じるにあたり、ボクシングジムに通い、トレーナーと共に数ヶ月、徹底した体づくりを行うなど役作りをして、今作の撮影に挑んだ。


信介が通うボクシングジムの先輩・川嶋勝重を演じるのは、石井組初参加の菅田将暉。実在する元WBC世界スーパーフライ級王者である川嶋を演じるため、菅田もボクシングジムに通い、2017年第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した『あゝ、荒野』から7年ぶりにボクサーを演じた。また、綾瀬演じるナズナの夫役には、数々の石井監督作品に出演し、監督が絶大な信頼を寄せる妻夫木聡。綾瀬とは『ザ・マジックアワー』以来の共演で、初の夫婦役となる。そして、信介の父・富久隆治役には、妻夫木同様、石井監督作品に欠かせない佐藤浩市。最愛の一人息子を不慮の事故で失った絶望、時を経て初めて知ることができた息子の知らない一面への戸惑いなど、複雑な父親の心情を丁寧に体現している。




このたびの発表にあわせて公開された予告映像は「ふと思い出して、お手紙を書いています」と、現在のナズナが、手紙を渡せなかった24年前の自分を思い出し、初恋の彼への想いや思い出を手紙に綴るところから始まる。通学中の電車の中で密かに想いを寄せる信介にドギマギするナズナの瑞々しい表情–そんないつもの朝に訪れる突然の悲劇‥‥。24年の時を経て、突然、彼の家族の元へと届いた手紙をきっかけに、それぞれの想いが重なる。映像の最後にナズナが見せる涙の意味とは? そして、ラブレターに隠された真実とは‥‥。
映画『人はなぜラブレターを書くのか』は、2026年4月17日(金)公開。