Sep 02, 2017 interview

ジャニーズを主役にした新たなドラマの形 『ウチの夫は仕事ができない』小田玲奈プロデューサーインタビュー

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日本テレビの土曜夜のドラマの放送時間帯が9時から10時に変わってから2作目となる『ウチの夫は仕事ができない』。それまでの、少年少女を対象にしたドラマから、時間帯変更によって、働く男の物語にシフトしている。
9月2日(土)から第二章を迎える『ウチの夫は〜』は、会社では仕事ができないと認識されている夫(錦戸亮)とそんな彼を優しく支える妻(松岡茉優)の、ほんわかした物語。第二章からは、仕事ができなかった夫ができる夫になっていくという意外な展開に。
プロデューサーは、水曜10時で『家売るオンナ』(16年)や『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(16年)などの働く女性のドラマを手がけてきた小田玲奈さん。夫を持つ身として、働く男性の大変さがわかると感じながら企画したが、視聴者は意外にも、こんな結婚したいと憧れる若者にも広がったという。働く女・小田プロデューサーに聞く、働く男と家庭のドラマのいま。

 

ドラマの夫婦を見て、結婚したいと思う若い視聴者も現れた

 

──まずは、制作意図と実際放送されての手応えを教えてください。

企画を考えたのは『家売るオンナ』(16年)を作っているときで、まず、タイトルを思いつきました。

──タイトル先行で、そこから内容を考えていく方法とは面白いですね。

土日にゴロゴロしていて邪魔に感じる夫が、実は、会社では辛い想いをしているのかもしれない。だから、優しくしてあげようと思うような話を作りたいと思いました。いざ、放送してみると、家庭を持っている方々だけでなく、もっと若い方が観てくれていて、いまの時代、恋愛や結婚しても大変なばかりでいいことがないというような風潮がある中で、このドラマに描かれている夫婦のようになりたいから、結婚したいと思ってくださっているようなんです。思いがけない反応が、嬉しかったです。

──既婚者を対象にしたわけは?

私も、子供はいませんが、結婚しています。その立場から思うのは、女性って、なんだかんだいって、結婚や出産によって、人生の軌道修正をしやすいんですよ。ところが、男の人は、そういう転機がないまま、常に仕事をきっちりやっていかないといけない。そんな男の人を励ますドラマにしたいと思っていました。

──いい奥さんですね。旦那さまは幸せものですね。

いやいやいや(笑)。こんなタイトルのドラマを作る嫁を持って、幸せじゃないと思います(笑)。

 

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渡辺千穂さんなら、リアリティある夫婦を書いてくれると思った

 

──脚本を渡辺千穂さんにお願いしたわけは。

妻を妊婦にしようと思ったとき、出産経験のある渡辺千穂さんにお願いしたいと思いました。それと、私が、ドラマ制作に所属する前、『ズームイン!! SUPER』という情報番組をやっていた関係で、キャスターの羽鳥慎一さんとは顔見知りで。じつは、夫の司は、羽鳥さんをモデルにしているところもあるんです(笑)。

──そうなんですか!

正確に説明すると、最初、錦戸さんに夫役をと思ったとき、彼の、憂いのあるというか、困り顔が似合うところ、それでいて、くしゃっと笑ったときの破壊力が、まさに「可哀そうで可愛い私の夫」というコピーに当てはまると確信しました。また、錦戸さんをよく知る方とお話したときに、錦戸さんはすごく泣く芝居がうまいと聞いたので、だったら毎回、泣いている話にしようかな、奥さんの前でメソメソしてばかりいたらどうかなとか想像が膨らみました。そのときに、羽鳥さんのことが浮かんだんですね。羽鳥さんって、国民の理想の夫みたいなイメージがあるのと同時に、とても泣き虫!『24時間テレビ』などでもよく泣いています(笑)。そういう、理想的なのだけど泣き虫という夫像を、錦戸さんに託して描きたくなりました。それで、どこまで羽鳥さんのことをネタにできるかわからないながら、奥さんの渡辺千穂さんだったら、熱をもって、この作品を書いてくれるんじゃないかと思いました。朝ドラ『べっぴんさん』の最終回を先週書き上げましたというくらいのタイミングで、お時間をもらって相談させて頂いたんです。ふつうなら、しばらく休みたいと思われる時期にもかかわらず、引き受けてくださるなんて、ほんとにお仕事が好きなのだと思います。しかも朝ドラを書き始めた途中で出産もされていて、はじめての子育てをしながら、脚本を書いていたというのはすごいことですよね。

──まさに、仕事も家庭も両方こなしている方。

お母様に家事や育児は手伝って頂いているようですが、とはいえ、旦那さまにちゃんと尽くしていらっしゃる。例えば、朝10時くらいに台本の原稿を受け取ったと思ったら、夕方、旦那さんの収録を観に来て、舞台袖でかいがいしくしていらっしゃるなんてこともありました。