『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』などの新海誠の劇場アニメーションを実写化する、映画『秒速5センチメートル』。この度、本作のヒロイン・篠原明里を高畑充希が演じることが発表された。

新海ワールドの“原点”との呼び声も高く、公開から18年たった今もなお世界中で愛される、主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を描いた本作が、松村北斗主演で実写映画化される。
主人公・遠野貴樹を幼少期、高校生、社会人という3つの時代で描く本作では、貴樹と明里の幼少期を、本作がデビュー作となる上田悠斗、「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞した白山乃愛が演じる。さらに、自然豊かな種子島で過ごした高校時代の貴樹を青木柚、貴樹に想いを寄せる高校の同級生・澄田花苗を森七菜、花苗の姉で、遠野貴樹が通う高校の教員を務める輿水美鳥を宮﨑あおいが演じるほか、社会人時代の貴樹の同僚・水野理紗役には木竜麻生、科学館の館長・小川龍一役に吉岡秀隆と豪華キャストが集結する。
メガホンをとるのは、米津玄師「感電」「KICK BACK」星野源「創造」のミュージックビデオを監督し、映像監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ている奥山由之。

【コメント】
▼ 高畑充希
正直、お話をいただいた時は、本当に?!私ですか???と、不安だらけでした。なぜなら、新海さんのアニメの中に居る明里さんは、動く度花びらが舞うような、「素敵な女性、という概念」みたいな存在だったので。私にとって。ですが、いただいた台本を開くと、そこには「概念」じゃなくて「人間」が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることが出来ました。今回あの新海さんの世界観を実写に落とし込んだスタッフさん達が、本当に凄くって!何より、10年以上前から写真で一緒にお仕事してきた同級生の奥山監督の、1本目の商業長編作品に参加出来て、幸せな気持ちです。
▼新海誠(原作)
映画を観始めて、最初はなんだか居心地が悪かったのです。不完全で未熟なバトンを若い作り手たちに渡してしまったような気持ちでした。しかし途中から映像に呑まれ始め、最後には自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました。原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました。あらためて、『秒速5センチメートル』は奇妙な物語です。たいしたドラマツルギーもなく、胸のすく活劇もなく、ヒーローも悪役もいない。皆が理由もなく傷つき、傷つけられ、いつもなにかが満たされずにいる。でも20年前は、その「なにもなさ」が私たち自身の姿であり生活であり、それを掬いあげるようなアニメーション映画を作ろうと思っていたのです。アニメーション版がその目標に届いていたかは心許ないのですが、今回の実写映画では当時のその不器用な種が、青さも含んだままに見事な結実となっていました。『秒速5センチメートル』を作っておいて良かったと、(ほとんど初めて)心から思えました。奥山組の皆さん、本当にありがとうございました。
映画『秒速5センチメートル』は、2025年10月10日(金)より全国公開。

18年という時を、異なる速さで歩んだ2人が、ひとつの記憶の場所へと向かっていく。交わらなかった運命の先に、2人を隔てる距離と時間に、今も静かに漂うあの時の言葉。――いつか、どこかで、あの人に届くことを願うように。大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。
監督:奥山由之
原作:新海誠 劇場アニメーション「秒速5センチメートル」
出演:松村北斗、高畑充希、森七菜、青木柚、木竜麻生、上田悠斗、白山乃愛、宮﨑あおい、吉岡秀隆
配給:東宝
©2025「秒速5センチメートル」製作委員会
2025年10月10日(金) 全国公開
公式サイト 5cm-movie