コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第113回
女優の長澤まさみが、7月14日に丸の内ピカデリー1で行われた、映画『銀魂』の初日舞台挨拶に登壇した。
舞台挨拶開始前に、スタッフに支えられながらエリザベス(着ぐるみ)がステージに登壇すると、客席からは拍手と歓声が沸き起こった。このエリザベスがのちにとんでもないことを巻き起こすとも知らずに。。
その後、劇場の後方扉から、主演の小栗旬をはじめとした豪華キャスト陣が登場。そのままの流れで、壇上ではクロストークが繰り広げられたのだが、“メインキャスト”をよそに、いつものように福田雄一監督、ムロツヨシ、佐藤二朗のゴールデントリオがしゃべり続けたため、「本当にやめて!この件で俺が黙ってると、『小栗、元気がない。私生活で疲れてる』ってまた書かれちゃうから(笑)。疲れてねぇわ、元気だわ!!」と、嘆く小栗の姿があった。
また、真選組の隊士を演じた、吉沢亮と柳楽優弥は壇上でも仲睦まじく、吉沢が柳楽を「ソウルメイト」と称すると、柳楽は「ちょっと連絡先、交換しようか?」と言って、スマホを取り出し2人で交換し合う場面も。
さらに、岡田将生にしゃべる順番が回ってくると、待ってましたとばかりに小栗が「(出演した)『銀魂』と『ジョジョの奇妙な冒険』、どっちに思い入れがあるの?」と鋭く問うと、「『ジョジョ』です」と即答する岡田。すかさず「嘘ですよ、嘘!『銀魂』です!」と訂正した岡田に対し、「それはそれでどうなの?」とツッコミを入れる福田監督だった。
その福田監督について、長澤は「街でよく会う人のイメージです(笑)。福田さんとはプライベートでよく会うんですよね。舞台をたくさん観に行ってるんですけど、(雰囲気的に)今回、呼んでくれるとは思ってなかったです」と吐露すると、劇中の“ドラゴンボールのところ”では相当悔しい思いをしたようで、福田監督も「もっと出来たって言ってたもんね」と、長澤を慰めていた。
すると福田監督は、なぜか隣に立つエリザベスにちょっかいを出し始め、「今日は良い動きするじゃん」と話し掛けると、エリザベスの中から「暑い」「断わりゃよかった」と、聞き覚えのある声が。その声に観客だけではなく、登壇者たちも騒然となり、福田監督が「中の人、みんな知らないみたいだよ」と再び話し掛けると、「中なんてないっすよ。これが俺だよ」と意固地になるエリザベス。ムロが「聞き慣れた声ですね」と口を開くと、福田監督は「山田君は・・・じゃなかった(笑)」と、つい中身が山田孝之であることをバラし、すでに誰だか気付いていた観客も大笑いしていたのであった。
その後も“山田エリザベス”との絡みは続き、「階段を上るのが難しくて。足デカイし、前が見えないから」とボヤく山田エリザベスに対し、突然、福田監督が手で山田エリザベスの口を開けて中を覗こうとすると、口の中から手を出し必死に抵抗する山田エリザベスの姿が見られた。
そんな2人のやり取りを見つめていた小栗は「俺だったら絶対やらないな」と、このオファーを引き受けた山田に脱帽といった感じ。当の山田エリザベスはというと「自分からやるって言っちゃったんだよね。みんな暑い中で着物を着てアクションしてたのに、自分だけ涼しい部屋で3分くらいで終わったから。それが申し訳なくて、少しは稼働しないとと思って」と、胸の内を明かしていた。
結局、最後まで素顔を晒さなかった山田エリザベスだが、退場の際には、やはり階段を下りるのが難しかったようで、“裾”をまくり上げスネ毛の生えた素足をのぞかせると、再び会場からは大きな笑いが起きていたのだった。なお、山田は本作でエリザベスの声を担当している。
舞台挨拶にはその他、出演の菅田将暉、橋本環奈が登壇した。
映画『銀魂』(ワーナー配給)
映画『銀魂』(ワーナー配給)は、宇宙人に支配された江戸で万事屋を営む侍、“白夜叉”こと坂田銀時とその仲間たちの活躍を描いた、空知英秋による大ヒットコミックを実写映画化した作品。
監督・脚本:福田雄一 出演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、新井浩文、吉沢亮、早見あかり、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、佐藤二朗、菜々緒、安田顕、中村勘九郎、堂本剛 ほか