Oct 03, 2025 news

エドワード・ヤンの遺作にして集大成 映画『ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版』岩井俊二監督が手掛けた予告映像公開

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台湾ニューシネマを代表する巨匠、エドワード・ヤン。この度、彼の遺作にして代表作を4Kレストアした、映画『ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版』の予告映像が公開された。

少年とその家族が経験するひと夏の出来事を、時に残酷で時にまばゆいほどの映像で描いた、映画『ヤンヤン 夏の想い出』。台湾と日本合作で製作され、台北と東京、熱海を舞台とし、イッセー尾形ら日本の俳優陣も参加している。

本作は2000年に第53回カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞した他、東京国際映画祭、トロント国際映画祭等世界の映画祭にて上映され、今なお多くの批評家や監督から熱狂的な支持を集めている。2016年の英国BBC主催の「21世紀の偉大な映画ベスト100」の第8位に選出、2023年にはハリウッド・レポーターによる「21世紀の映画ベスト50」で堂々の1位に輝き、北米のレビューサイト、Rotten-Tomatoesでは現在批評家からは 97%フレッシュ、一般のユーザーからは91%という高スコアを維持(2025年8月27日時点)しており、色褪せぬどころか、時を経てなおその評価が高まり続けている。そして2025年には4Kレストア化され、第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門のオープニング作品としてお披露目された。

今回公開された予告映像の演出を務めたのは、『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』等で知られる映画監督、岩井俊二。エドワードを兄と慕い、2000年の公開時にも本作の予告映像を手掛けた彼が、25年を経て4Kレストア版でも新たに予告映像を演出している。

【コメント】

▼岩井俊二
エドワードと初めて会ったのは1996年の台湾。三人の監督がお互いの国で映画を撮影するという企画、Y2Kプロジェクト構想を聞いた。 結局は僕だけ挫折して申し訳ないことをした。実現していたら『リリイ・シュシュのすべて』の舞台は台湾だったはずだ。結局エドワードも若干の日本ロケを入れつつも台湾を主たる舞台に作品を作った。それが『ヤンヤン』だった。
2007年。突然の訃報が舞い込んだ。奇遇なことに葬儀のあったウエストウッドの墓地のすぐ近くにいて、参列することができた。現場では気難しい時もあると聞いていたが、僕にはいつも笑顔で、僕もエドワードを兄のように思っていた。まさか『ヤンヤン』が最後の作品になるとは思わなかった。歳月は過ぎたが、エドワードの作品は今もまったく色褪せない。

映画『ヤンヤン 夏の想い出 4K レストア版』は、2025年12月19日(金)より全国公開。

作品情報
映画『ヤンヤン 夏の想い出 4K レストア版』

小学生のヤンヤンは、コンピュータ会社を経営する父NJ、そして母、姉、祖母と共に台北の高級マンションで幸せを絵に描いたような暮らしをしていた。だが母の弟の結婚式を境に、一家の歯車は狂いはじめる。祖母は脳卒中で入院。NJは初恋の人にバッタリ再会して心揺らぎ、母は新興宗教に走る。そしてNJは、行き詰まった会社の経営を立て直すべく、天才的ゲーム・デザイナー大田と契約するため日本へと旅立つのだが‥‥。

監督・脚本:エドワード・ヤン

出演:ウー・ニェンツェン、イッセー尾形、エイレン・チン、ケリー・リー、ジョナサン・チャン

配給:ポニーキャニオン

©1+2 Seisaku Iinkai

2025年12月19日(金) Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿他 全国公開

公式サイト yi-yi