■全5部門の受賞作品および「Japan Best AI Film(グランプリ)」発表
そしてステージでは、授賞式を実施。厳正なる審査を経て選出された各部門の最優秀賞(ベスト作品)および審査員特別賞が発表された。まずは「ベストシノプシス+AIティザー賞」から発表。受賞したのは「Samurai Egg」の中谷学さん。「この作品はプロデューサーが20年前に考えた企画で。当時は技術的な問題、予算的な問題でつくれなくて。20年間ずっとお蔵入りとなっていました。それが今になってAIを使うことで実際に形にすることができた。AIはクリエイターの敵だという考えの人もたくさんいると思いますし、それはそれで一理ありますが、もうAIは来てるので、それを無視するわけにはいかないと思っています。少人数で、個人の表現力を最大限に生かせるのがAIだと思っています。なので今後もどんどん続けていきたい」と語った。

続いて「ベストAI CM部門」の発表に。「Freedom Ramen賞」はあぎさんの「The Bowl That Changed the World 世界を変えた一杯 -FREEDOM RAMEN-」。「この映像の中にはAIじゃないとできない表現というのはあえて入れておりません。実際の制作現場で使えるようなクオリティで、かつこの2人だけでは予算的にも絶対に作れないような画角、あとは特殊メイク、時代背景、カメラワークなど、AIでこういうことができたらいいよねというのをふんだんに取り入れました。今回それが分かりやすいストーリーとして皆さんに伝われば本当に嬉しいと思います」と喜びのコメントを寄せた。そして「ベストAI CM賞」を受賞したのは、THE ONE AI LAB.の「SWETOS」。プレゼンターの中島信也は「審査の時は分からなかったんですけど、ふたを開けてみたら昔の仲間で。本当にビックリしました」とコメント。THE ONE AI LAB.さんも「とにかくみんなで汗をかきました。一カ月くらいの制作期間でしたが、ものすごいクレジット料金がかかってしまいました。だけどそれよりもここに立てたということが本当にうれしくて。本当に汗を流して良かったなと思いました。結局AIを使うのは人間なんじゃないかなと思います。誰もがクリエイターになれるし、ディレクターにもなれる。ですから僕たちも皆さんに負けないように頑張りますので、一緒に切磋琢磨していきましょう」と会場に呼びかけた。

さらに「ベストAI Pocket Anime賞」を受賞したのは石原健二さんの「ロスト・トイ・レクイエム」。石原さんは都合により残念ながら欠席となったが、プレゼンターの和田氏からは「ダークファンタジーなんですけど、その中にしっかりと哀愁とか、いろんな物語が隠れていて。非常に観やすくて素晴らしい作品。続きが観たくなる作品でした」という講評が送られた。

続いて「ベストAI アニメ賞」の発表となり、平田茉莉花さんの「This is Me」が選出された。平田さんも「この作品をつくるときに思っていたことがあって。人って型をめっちゃ欲しがるなと思うんですよ。自分もそれをされて嫌だなと思っていました。でも説教をされるのは意味がないと思うし、別にされたくもない。だったらアニメーションで、葛藤してる子を描いて、みんなが綺麗に生きようとせずに、自分のありのままに生きられれば幸せなんじゃないかなと。そういうことを表現したくて作った作品です」と本作に込めた思いを力強く語った。

「ベストAI フィルム賞」に選ばれたのは、新野卓さんの「Re:right」。「作品のテーマとして『甘い嘘、苦い真実』というものがあるんですが、まさにAI全体でそうしたものを手に入れてしまったんだなと。新しい力も使い方によって良くも悪くもなると思っています。AIはすごいスピードで私たちをどんどん追い越していき、わたしたちはあっという間に置いてかれてしまう。だからこそ今一度立ち止まって、何で作るのか、何を作るのかを考えて。それもなかなか答えは出ないですが。だからこそこういった映画祭で、いろんな人たちとの対話を通じて、より一層泥臭く創作についてもっともっと考えていきたいと改めて思いました」と語った。

そして最後にグランプリとなる「Japan Best AI Film賞」の発表に。選ばれたのは、平田茉莉花さんの「This is Me」。同作は「ベストAI アニメ賞」と並び2冠となった。発表を聞いた瞬間から、涙が止まらない様子の平田さんは、「本当に素晴らしい賞をいただけてとても嬉しいです。AIだから表現できることって結構あるなと思うんですけど、それとはなるべく関係なく、普通に誰かに感動してもらいたくて。普通に誰かに明日も生きたいなと思ってもらえればいいなと思って作ったんですけど、こんな賞いただけて本当にビックリです。本当にわたしでいいんですか、という気持ちになってしまうんですが、恥ずかしくないものを作ったつもりです。ありがとうございます」と感謝の思いを述べた。
なお、ファイナリスト全39作品はWAIFF JAPAN公式YouTubeで公開中。この機会にAI映画の現在地を確かめておきたい。

2025年4月、フランス・ニースにて開催され、世界に衝撃を与えた世界初・最大級のAIに特化した国際映画祭「WORLD AI FILM FESTIVAL」(WAIFF)。その成功を受け、2026年4月にフランス・カンヌでの第二回本開催が決定。そこに至るまでの道程を「Road to WAIFF Cannes 2026」と称し、サンパウロ(ブラジル)、ソウル(韓国)、無錫(中国)、そして日本(京都)の4都市で予選となる映画祭を開催。各国で選出された優秀作品のみが、映画の聖地・カンヌで開催される本大会「WAIFF Cannes 2026」へと招待される予定となっている。
【開催概要】
日程:2026年3月12日(木)-13日(金)
会場:ロームシアター京都 サウスホール
主催:WAIFF JAPAN 実行委員会
© WORLD AI FILM FESTIVAL 2026 in KYOTO
公式サイト worldaifilmfestival.jp