20代の等身大の恋愛の危うさと歯がゆさを描いた、映画『わたし達はおとな』。監督は、「平成物語」(フジテレビ系)、「俺のスカート、どこ行った?」(2019年 / 日本テレビ)など話題のテレビドラマの脚本を手掛けるだけでなく、「きれいのくに」(2021年 / NHK)では、第10回市川森一脚本賞を受賞し、自身が主宰する「劇団た組」で感性鋭い作品を発表し続けている、今最も注目を浴びている演出家・脚本家の加藤拓也。今作がオリジナル脚本による監督デビュー作となる。
物語の主人公はデザイン学科に通う大学生の優実。ある日、演劇サークルに入っている知人から公演のチラシを作って欲しいと頼まれ、そのサークルの演出を手掛ける直哉と出会う。初めはサークル活動の関わりだけだったが、やがて直哉が優実の家へ頻繁に出入りするように。半同棲状態となり、言えないことがつもりつもったある日、バイトを終えて帰ってきた直哉に、優実は「怒らないで欲しい」と言いながら使用済みの妊娠検査薬を渡す。表面上の祝福をする直哉に対し、「話し合いたい‥‥」と口にした優実。そしてここから、ふたりのクライマックスが始まっていく。
この度、予告映像とポスタービジュアルが公開された。
映像では、優実と直哉のある日の出来事を映した1シーン1カットが丸々使用されている。まさに彼らの生活を覗き見ているかのような生々しさを感じさせるシーンとなっており、2人の目線や仕草、会話の流れ、絶妙な息遣い、彼らの一挙手一投足に注目し、妙に目が離せなくなる不思議な感覚を味わわせてくれる。
「私達の生活を非日常で俯瞰して体験する、そんなことがテーマの映画です」と加藤監督が明かす本作は、撮影時 “覗いている感”に最もこだわる形で撮影された。主人公の優実とその恋人の直哉、2人の男女の日常を覗き見しているかのような圧倒的リアリティを追求し、緊張感と切迫感、狂おしいまでの人間らしさや感情のグラデーションが生々しく突き刺さる、これまでにない恋愛映画。
主演を務めるのは、瀨々敬久監督の『菊とギロチン』(18)で映画初主演を果たし、同年の『鈴木家の嘘』(野尻克己監督)でもヒロインに抜擢され、第40回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞や第92回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など、その年の多くの映画賞を受賞し、その後、映画、TV、舞台、CMなど幅広い分野で活躍している女優・木竜麻生。
そして近年、映画『his』(20 / 今泉力哉監督)や『佐々木、イン、マイマイン』(20 / 内山拓也監督)などに出演し、2021年には、『くれなずめ』(松居大悟監督)、『明日の食卓』(瀬々敬久監督)、『のさりの島』(山本起也監督)、『空白』(𠮷田恵輔監督)など4本の長編映画に出演し、唯一無二の存在感と比類なき演技力が評価され、第13回TAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞した藤原季節が木竜演じる優実の恋人役・直哉をつとめる。
恋人との衝突、成りゆきのセックス、不確かな将来、思いがけない妊娠‥‥大学生の男女2人の心の機微をリアルに捉え、スクリーンを通して男女の生活を覗き見るような描き方で物語を牽引し、幸せだった過去と苦しい現在が対比されて紡がれる若者たちの姿が描かれる本作。菅野莉央、清水くるみ、 森田想、桜田通、山崎紘菜ら、加藤監督が信頼する若手俳優陣が集い、次世代の日本映画界を担う若き才能が脇を固める。
映画『わたし達はおとな』は、6月10日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開。
大学でデザインの勉強をしている優実には、演劇サークルに所属する直哉という恋人がいるが、ある日、自分が妊娠していることに気付く。悩みながらも優実は直哉に妊娠とある事実を告白する。直哉は将来自分の劇団を持ちたいと願っていた。現実を受け入れようとすればするほどふたりの想いや考えはがすれ違っていく‥‥。
監督・脚本:加藤拓也
出演:木竜麻生、藤原季節、菅野莉央、清水くるみ、森田想 / 桜田通、山崎紘菜、片岡礼子、石田ひかり、佐戸井けん太、鈴木勝大、山脇辰哉、上村侑、中山求一郎、諫早幸作、伊藤風喜、鳥谷宏之、平原テツ
配給:ラビットハウス
©2022「わたし達はおとな」製作委員会
2022年6月10日(金) 新宿武蔵野館ほか全国公開
公式サイト notheroinemovies.com