富名哲也監督が小松菜奈・松田龍平ダブル主演で贈る、映画『わたくしどもは。』。この度本作が第36回東京国際映画祭コンペティション部門公式出品され、さらに2024年には劇場公開されることが発表された。
本作は、ベネチア国際映画祭が新鋭監督を支援するプロジェクト、Biennale College Cinema 2018-2019において、インターナショナル部門9作品のうち日本から唯一選ばれた企画。企画から5年の月日を経て、来る10月23日に開幕を迎える東京国際映画祭のコンペティション部門公式出品作品として念願のワールドプレミアを迎える。
富名監督は、英国ロンドンフィルムスクールで映画を学んだ後、2013年、岸井ゆきのを主演に迎えた短編『終点、お化け煙突まえ。』を監督脚本し、第18回釜山国際映画祭の短編コンペ部門をはじめ世界10カ国以上の国際映画祭に招待された。
2018年、続く長編初監督作品で、内田也哉子と内田裕也 が父娘初共演を果たした『Blue Wind Blows』は、第68回ベルリン国際映画祭ジェネレーション・コンペティション部門に正式招待されたのを皮切りに、サンパウロ国際映画祭他、台湾、インドネシア、スペイン、ポーランド、オーストラリアの映画祭などで上映されました。主演に小松菜奈と松田龍平を迎えた本作が待望の長編監督第2作となる。
江戸時代、無宿人と呼ばれる戸籍を剥奪された人々が内地から佐渡島に連れてこられ、金山で過酷な労働を強いられた結果、多くの人々が亡くなった。佐渡島を訪れた富名監督は、この金山跡地の片隅にひっそり佇む墓地”無宿人の墓”の存在から本作の着想を得たという。
戸籍の無い人たち”無国籍者”は、遠い過去の出来事ではなく、日本そして世界的にも増加し現在問題となっている。 「この社会に記録上存在していない、無宿人と無国籍者は、亡くなってもその存在は永遠に認められることがないまま、その魂は“彷徨える魂”としてこの世を漂っている。忘れ去られないためにもこれをテーマに映画を作りたかった。」という富名監督。
監督はさらに続けて、「この映画の物語を支えるプロットとし、佐渡金山を象徴する二つに割れた山、道遊の割戸と呼ばれる金山が大切な役割を担っている。じっと眺めていると、その割れた裂け目はあの世とこの世を繋ぐ出入口に思えたことが映画の強いインスピレーションになった。」と作品に対する強い思いを語る。
映画『わたくしどもは。』は、2024年ロードショー。
舞台は佐渡島の金山跡地。倒れている女が目覚める。女には過去の記憶がない。女は、清掃員の女性キイに助けられ、家に運ばれる。そこにはアカとクロという名の女の子も暮らしている。名前を思い出せない女はミドリと名付けられ、キイと一緒に清掃員として働き始める。ミドリはそこで警備員の男と出会う。 男もまた名前と過去の記憶がないという。そんなミドリと男は互いに惹かれ合っていく‥‥。
監督・脚本:富名哲也
出演:小松菜奈、松田龍平
配給:テツヤトミナフィルム
©️TETSUYA to MINA film
2024年 ロードショー
公式サイト watakushidomowa
開催期間:2023年10月23日(月)~11月1日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
◆オープニング作品
『PERFECT DAYS』
監督:ヴィム・ヴェンダース
◆クロージング作品
『ゴジラ-1.0』
監督・脚本・VFX:山崎貴
公式サイト tiff