柚木麻子による同名小説を、堤幸彦監督が、主演にのんを迎えて実写映画化する、映画『私にふさわしいホテル』が、24年12月に公開される。
2008年にオール讀物新人賞を受賞した短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む単行本「終点のあの子」でデビューし、2015年「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞受賞、高校生直木賞を受賞した柚木麻子。「ランチのアッコちゃん」「BUTTER」「あいにくあんたのためじゃない」など話題作を次々と発表してきた柚木の『私にふさわしいホテル』が映画化される。
本作は“文学史上最も不遇な新人作家”の逆襲を描く、文壇リベンジエンターテインメント。激しくもチャーミングな主人公・加代子を演じるのは『さかなのこ』で新たな魅力を発揮し、俳優、アーティストとして様々な分野で活躍するのん。監督は、のんとは初タッグとなる堤幸彦。
新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典の酷評により、華々しいデビューを飾ることなく、小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家・加代子(のん)。「この恨み、晴らさいでおくべきか」。そう決意しながら憧れの「山の上ホテル」に宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは、なんと東十条だった。
大学時代の先輩で編集者の遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を落とさせることに成功した加代子。だが、ここからが加代子の更なる不遇と試練の始まりだった‥‥。