Jan 26, 2022 news

ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』田中泯×大泉洋の対談特別映像が公開

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『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』『のぼうの城』などで知られる犬童一心監督が、世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追った映画『名付けようのない踊り』。

この度、公私共に親交のある、俳優・大泉洋と田中泯の対談が実現。対談特別映像が公開された。

ふたりが初共演を果たしたのは、2015年放送のNHK朝の連続テレビ小説「まれ」にさかのぼる。大泉は「(塩田での塩作りのために)塩田に立ってるあのお姿は、本物よりも本物らしいというか。何をやってもそうなっちゃうのがすごいなと。大河ドラマ(「鎌倉殿の13人」)でも泯さんだけがタイムスリップしてきた人に見えるんですよ。なんでなんだろうなと思いますよね」と感心した様子を見せた。

近年は俳優として映画・ドラマへの出演が相次ぐ田中だが、「僕はセリフを覚えるのが嫌いだし、上手に喋れるわけでもない。だからまず、その人はどういう気配を放っているのか、背中はどうなっているのか、肩がどうなっているのか、そっちの方に関心がいってしまう。身体がその人になるというかね」と役作りのアプローチを説明。大泉も「僕らだと、どうしてもセリフに頼っちゃうから。でも泯さんはそうじゃない。泯さんの踊りというのもそういうところから入っているんでしょうね」とその独特なアプローチに感心した。

大泉が田中の踊りを初めて見たのは、中野区にある小劇場「plan-B」での公演だったが、その光景がどうにも忘れられなかったという。「あの地下の狭いスタジオでギュウギュウになりながら観たんですが、暗闇の中から弱い光がフワッと浮かび上がると、泯さんが角材をおでこに当てて三角形にしていて。そこから動かないわけです。でもそこでおでこの角材がドーンと外れて、泯さんが崩れ落ちて、倒れてしまった。どうするのかなと思ったら、そこからまた角材を持ってジワーッと、ゆっくりと立ち上がって。また三角形になった。誰も何も言わない。とにかく静寂が流れるだけ。あれは何でしょうねぇ」とその時の様子を克明に描写する大泉。「あれだけ動かないものを見ているのに、体験としてはすごいスリリングなわけですよ。もう劇的としか言いようがない。衝撃的な体験でしたね」と語る大泉の言葉もどんどん熱を帯びてくる。

「終わった後に『あの角材で三角形になった時はどんな気持ちだったんですか』と聞いたら、『きれいな三角形でしょ、と思っているんです』と。『では角材がバーンと外れたのはああいう演出なんですか』と聞いたら、『あれはビックリしました』って。『ハプニングなんですか?』と聞いたら『そうですよ』だって」などとそのやりとりが可笑しくてしょうがないといった様子の大泉に対して、田中も笑顔で「終わった後に、あなたが『笑っちゃいけないんですか』って言ったのがうれしかったんですよ」とクスクス笑い。さらに「僕はね、笑おうが怒ろうが、その見ている人の中に、きっかけがすべてあるはずなんです。だからあそこでゲラゲラと笑い声が出ても、まったく僕は平気なんですよ。平気というよりはむしろ望んでいるわけです。それが当たり前なんだから」と踊りに対する思いを語った。

そんな大泉が今回のドキュメンタリー映画について「誰もが泯さんの踊りを生で見られるというわけではないからこそ、この映画は観た方がいい。こんな世界があるのかと思いますし、めくるめく(踊りの)世界が広がってるので。そういった意味では犬童監督がよくぞいろんなところについていって、撮ってくれたなと思いますね」としみじみ語った。

最後に「なぜ今、彼に惹かれるのか?」とあらためて問いかけられた大泉。「僕は突きつけられる感覚というか、それでいいのか、お前と言われてるような感覚があるんです」と前置きしつつ、「自分じゃ、なかなかムチを入れられないんですけど、そのムチを目の前で入れてもらえるというか。そういう感覚が欲しくて、田中泯を見たいと思うんじゃないですかね」と田中の魅力について言葉をかみ締めるように語った。

ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』田中泯×大泉洋の対談特別映像が公開

映画『名付けようのない踊り』は、2022年1月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、Bunkamura ル・シネマ他にて全国公開。

作品情報
ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』田中泯×大泉洋の対談特別映像が公開
映画『名付けようのない踊り』

1978年にパリデビューを果たし、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現し、そのダンス歴は現在までに3000回を超える田中泯。映画『たそがれ清兵衛』(02)から始まった映像作品への出演も、ハリウッドからアジアまで広がっている。40歳の時、田中泯は“畑仕事によって自らの身体を作り、その身体で踊る”ことを決めた。そして74歳、ポルトガルはサンタクルスの街角で踊り、「幸せだ」と語る姿は、どんな時代にあっても好きな事を極め、心のままに生きる素晴らしさを気付かせてくれる。そんな独自の存在であり続ける田中泯のダンスを、『メゾン・ド・ヒミコ』への出演をきっかけに親交を重ねてきた犬童一心監督が、ポルトガル、パリ、山梨、福島などを巡りながら撮影。また、『頭山』でアカデミー賞短編アニメーション部門に日本人で初めてノミネートされた山村浩二によるアニメーションによって、田中泯のこども時代が情感豊かに点描され、ぶれない生き方が紐解かれてく。どのジャンルにも属さない田中泯の〈場踊り〉を、息がかかるほど間近に感じながら、次第に多幸感に包まれる。

脚本・監督:犬童一心

出演:田中泯 / 石原淋 / 中村達也、大友良英、ライコー・フェリックス / 松岡正剛

配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ

© 2021「名付けようのない踊り」製作委員会

2022年1月28日(金) 全国公開

公式サイト happinet-phantom.com/unnameable-dance/