Jan 17, 2025 news

鬼才タル・ベーラの愛弟子・小田香が描き出す、ドキュメンタリーを超えた異形の空間 映画『Underground アンダーグラウンド』

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『セノーテ』『鉱 ARAGANE』の小田香監督最新作、映画『Underground アンダーグラウンド』。この度、本作のが来月2月13日に開幕する第75回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されることが決定し、あわせて本作の予告編映像が公開された。

『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』で知られる映画作家タル・ベーラが後進の育成のために設立した映画学校【film.factory】で3年間学んだ後、卒業制作として作られた長編デビュー作『鉱 ARAGANE』では、ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱を、第1回大島渚賞を受賞した『セノーテ』では、メキシコ、ユカタン半島北部に点在するセノーテと呼ばれる洞窟内の泉と、人類の視線が及ばない異形の地下世界を題材に制作を続けてきた小田香が、三たび、遂に日本の地下世界にカメラを向ける。

本作は、小田自ら「“地下世界”を描く作品としては節目となる作品」と語る最新作。小田は、3年かけて日本各地をリサーチし、その土地に宿る歴史と記憶を辿り、土地の人々の声に耳を傾け、これまでとは全く異なる撮影体制で、地下の暗闇を16mmフィルムに焼き付けていく。

その道行きには、米津玄師「Lemon」MVのダンスで鮮烈な印象を残し、映画『Shari』などの監督作でも知られる、映画作家・ダンサーの吉開菜央が、ある女の姿を借りた「シャドウ(影)」という存在を演じ、まるで歴史そのものであるかのような姿で随伴する。

この度、本作の正式出品が決まったベルリン国際映画祭の「フォーラム部門」は、新しい視点を含む大胆で革新的な作品を集めた部門で、強い個性や多様性のある作品が選出される。昨年は三宅唱監督『夜明けのすべて』と想田和弘監督『五香宮の猫』が上映されており、小田監督にとっては今回が初めてのベルリン国際映画祭での上映。昨年10月に開催された第37回東京国際映画祭でワールドプレミア上映され、インターナショナルプレミアとなるベルリン国際映画祭では、世界の観客にさらなる衝撃を与えることが期待される。

映画『Underground アンダーグラウンド』は、2025年3月1日(土)より 東京 ユーロスペース、大阪 シネ・ヌーヴォ、愛知 ナゴヤキネマ・ノイほか全国順次公開。

作品情報
映画『Underground アンダーグラウンド』

地下の暗闇から、蠢く怪物のように「シャドウ(影)」が姿を現す。シャドウ(影)はある女の姿を借りて、時代も場所も超えて旅を始める。滲み出す地下水に濡れる、地下鉄が走る音を聞き、戦争により多くの人々が命を失ったほら穴の中で死者達の声に耳を澄ませる。山奥の寺では、洞窟に続く、壁面に掘られた仏たちのために読経する僧侶の傍らに身を寄せる。そんな道行きの中、シャドウ(影)は、かつてそこで起きたことをトレースしていくようになり、ふと入った映画館で出くわした映像に導かれ、湖の底に沈んだ街に向かうのだった。

監督:小田香

出演:吉開菜央、松永光雄、松尾英雅

配給:ユーロスペース+スリーピン

©2024 trixta

2025年3月1日(土) 東京 ユーロスペース、大阪 シネ・ヌーヴォ、愛知 ナゴヤキネマ・ノイほか全国順次公開

公式サイト underground-film