2022年11月11日に公開した映画『土を喰らう十二ヵ月』(中江裕司監督)は、2ヵ月以上経った今も全国の映画館にてロングラン上映を続けており、先週末で動員20万人を達成。コロナ禍になって以来、映画館にシニア層があふれる初めての映画となった。
本作は第77回毎日映画コンクールに、男優主演賞(沢田研二)、撮影賞(松根広隆)、美術賞(小坂健太郎)、音楽賞(大友良英)、録音賞(渡辺丈彦)の5部門でノミネートされており、本日各賞が発表され、沢田研二が男優主演賞を受賞。
毎日映画コンクールは、1946年に日本映画の振興や映画の楽しさを伝える為に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が創設した歴史ある映画賞。第一線で活躍している映画評論家やジャーナリスト、専門家など約80人が選考にあたっている。沢田研二の男優主演賞の演技について「演じるのではなく、ただそこに存在し、溶け込んでみせた沢田の円熟味に舌を巻いた。」と評した(スポーツニッポン1/19付)。
ミュージシャンとして、日本レコード大賞をはじめ多くの賞に輝いてきた沢田研二。映画の主要な賞で俳優としての受賞は、1979年の『太陽を盗んだ男』(長谷川和彦監督)で第4回報知映画賞の主演男優賞を受賞して以来となる。
沢田研二はスポーツニッポンの紙面にて「凄い俳優さんがいる中で、私を選んでいただいたのは、本当にとってもとってもうれしいし、せんえつだし、恐れ多いし、そして大変ありがたく思っております」と男優主演賞の受賞にコメントを寄せた。表彰式は2月14日(火)に目黒パーシモンホールで開催される予定。
本作は、水上勉の料理エッセイを原案に中江裕司監督が映画化。長野県白馬村を中心に2020年2月からロケを敢行し、土地の開墾から取り組み、映画で使う野菜を一から育てることから始めるなど、日本映画では異例の一年半におよぶ撮影を行った。
沢田研二が演じるのは、作家ツトム。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を送っており、時折、編集者で恋人の真知子(松たか子)が、東京から訪ねてやってくる。
食いしん坊の真知子と旬のものを料理して一緒に食べることを愉しみながら、悠々自適に暮らすツトムではあるが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいた‥‥。食べるとは、生きるとは、死とはなんなのかを、ひとりの作家の生き様と四季(二十四節気)を通して描いている。
長野の山荘で暮らす作家のツトム。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を送っている。時折、編集者で恋人の真知子が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子と旬のものを料理して一緒に食べるのは、楽しく格別な時間。悠々自適に暮らすツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる。
監督・脚本:中江裕司
原案:水上勉「土を喰う日々 ーわが精進十二ヵ月ー」(新潮文庫刊)、「土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月」(文化出版局刊)
出演:沢田研二、松たか子、西田尚美、尾美としのり、瀧川鯉八、檀ふみ、火野正平、奈良岡朋子
配給:日活
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
公開中
公式サイト tsuchiwokurau12.jp