アジア最大級の映画の祭典、第36回東京国際映画祭が、11月1日(水)閉幕を迎え、クロージングセレモニーと、コンペティション作品審査委員・受賞者記者会見が行われた。
セレモニーでは、コンペティション部門の各部門における審査委員から受賞作品が発表され、各賞が授与された。映画『正欲』が最優秀監督賞・観客賞で2冠を受賞、『タタミ』が最優秀女優賞・審査員特別賞で2冠を受賞した。
【東京グランプリ/東京都知事賞】には『雪豹』が選出され、審査委員長ヴィム・ヴェンダースよりトロフィーが授与された。
≪第36回東京国際映画祭 コンペティション部門 各賞受賞作品・受賞者≫
東京グランプリ/東京都知事賞:『雪豹』(中国)
審査員特別賞:『タタミ』(ジョージア/アメリカ)
最優秀監督賞 :岸善幸(『正欲』、日本)
最優秀女優賞: ザル・アミール(『タタミ』、ジョージア/アメリカ)
最優秀男優賞:ヤスナ・ミルターマスブ(『ロクサナ』、イラン)
最優秀芸術貢献賞:『ロングショット』(中国)
観客賞:『正欲』(日本)
▼審査委員長 ヴィム・ベンダース コメント
第36回東京国際映画祭の審査委員長を務められたことを光栄に思います。そして他の4人の映画関係者からなる実力派の審査員と共に世界中から集まった15本のコンペティション作品を観てその中から満場一致で東京グランプリと他の5つの賞を選ぶことができました。本当に素晴らしい作品を数多く見ることができましたが、セレクション全体が、同等の水準であるかどうかというのは確信できませんでした。また、オープニング作品として『PERFECT DAYS』を紹介できたことを誇りに思うと共に、このような機会を与えてくれた映画祭に感謝申し上げます。東京国際映画祭大好きです。これからも成功を祈っております。
(審査員記者会見にて)
今回『タタミ』を選んだ理由は、物語の力強さであったり役者たちの演技の力強さであったりと、映画という言語が明確であったというところで、私たちはこの作品が好きでした。私の友人のイスラエル人が言っていたことですが、イスラエル人の最も最悪な敵というのは自分たちの中にいる過激派の過激思想を持つものであるということを聞いたこともありますし、またパレスチナ側の人たちもパレスチナの過激な人たちが敵であるということをいっていたこともありました。過去にこの2つの民族の人たちは共に、上手く生きていくことができていたということがあります。今回イラン系の女性監督とアメリカ系イスラエル人の監督とが共同制作として一緒に仕事をしたというのはとても良い例になっていると思います。それにより平和というのは実行可能であるということを示していますし、その平和の敵というのはお互いを除外する過激な思想、過激な行動であるということだと思います。
また、クロージング作品『ゴジラ-1.0』より山崎貴監督、神木隆之介、浜辺美波も登壇。