第42回青龍映画賞など韓国の映画賞で主演女優賞、助演女優賞をはじめとした10冠に輝き、韓国映画界を席捲。第16回大阪アジアン映画祭・特別注視部門に出品され日本でも話題となった映画『三姉妹』。
本作は、『オアシス』(02/イ・チャンドン監督)での演技が日本でも今なお語り継がれるムン・ソリが、脚本に惚れ込み主演を務めるとともに、「娘たちの世代が、暴力や嫌悪の時代を越えて、明るく堂々と笑いながら生きていける社会になるように」との祈りを込めて共同プロデューサーも買って出た、現代を生きる三姉妹の烈しくもあたたかい超弩級の人間ドラマ。
この度、予告映像&ポスタービジュアルが公開された。
映像は、それぞれに問題を抱える三姉妹の日々が、「幸薄い長女 ヒスク」「弱みは見せない次女 ミヨン」「ほぼアル中の問題児三女 ミオク」の順に、「烈しくて、痛くて、あたたかい。」の言葉とともに映されていく。ヴィヴァルディの「四季」より「冬 第1楽章」が流れる後半には次女ミヨンと三女ミオクが取っ組み合い、激しくもみ合うシーンがありながらも、海辺で三人が仲睦まじく座っている映像にタイトルが映し出される。
ムン・ソリのほかに、ドラマ「愛の不時着」で北朝鮮の人民班長ナ・ウォルスク役を演じ日本でも話題となったキム・ソニョンが、いつも謝ってばかりいる長女ヒスクを熱演。三女ミオクには、長年トップモデルとして第一線で活躍し、『ベテラン』(15)で映画デビューを果たしたチャン・ユンジュが抜擢され、『ベテラン』以後いくつもの出演オファーを断り続けていたというチャンの、満を持しての映画出演2作目で、自暴自棄になり感情を爆発させる劇作家役を体当たりで演じている。
監督は、イ・チャンドン監督がその手腕を激賞する鬼才監督イ・スンウォン。長編デビュー作『コミュニケーションと嘘』(15)で第20回釜山国際映画祭NETPAC賞に輝き、ロッテルダム国際映画祭、カルロヴィバリ国際映画祭などの世界各地の映画祭に招待され注目を集め、本作が長編三作目となる。
作家の角田光代は、「三姉妹それぞれの理不尽な現在と、やがて明かされる過去、不幸のてんこ盛りと言えるのに、ところどころで笑ってしまう。なんていとしい人たち、なんてすごい映画!」と絶賛の言葉を寄せた。
映画『三姉妹』は、6月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。
韓国・ソウルに暮らす三姉妹。長女ヒスクは別れた夫の借金を返しながら、しがない花屋を営んでいる。一人娘には疎まれ相手にされなくても“大丈夫なフリ”をして日々をやり過ごす。次女ミヨンは熱心に教会に通い聖歌隊の指揮者も務める模範的な信徒。高級マンションに暮らし“完璧に”家庭でも振舞うが、そんな日常は次第にほころびを見せ始める。三女ミオクは劇作家としてスランプに陥り自暴自棄となって昼夜問わず酒浸りの日々を送り、夫の連れ子である息子の保護者面談に“酔っていないフリ”で乗り込む始末。性格、仕事、生活スタイル、全てが異なる人生を送る彼女たちは、父親の誕生日を祝うために久しぶりに一堂に会し、蓋をしていた幼少期の心の傷と向き合うことになる。
監督・脚本:イ・スンウォン
出演:ムン・ソリ、キム・ソニョン、チャン・ユンジュ、チョ・ハンチョル
配給:ザジフィルムズ
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2022年6月17日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開