名匠ケン・ローチの幻の傑作『石炭の値打ち』が劇場初公開される。この度、本作の予告映像が公開された。

『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』で、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを2度受賞している、イギリスの名匠ケン・ローチ。
ケン・ローチが、1977年にBBCのドラマ枠「プレイ・フォー・トゥデイ」のために制作したテレビ映画「石炭の値打ち(The Price of Coal)」は、2部構成の社会派ドラマ。1969年に公開された映画『ケス』に続く、脚本家バリー・ハインズとタッグを組み、英国社会の象徴でもあった炭鉱という労働現場を舞台に、皇太子の視察訪問に右往左往する人々をコメディ調で描く第1部と、一転してハードでシリアスな第2部の2部構成で、炭鉱の人々の暮らしと人生がじっくりと描き出される。


ケン・ローチ監督は、キャリア初期の本作においても、ドキュメンタリー的手法と即興的な演出、非職業俳優の起用といった一貫したスタイルで、現実に生きる労働者の感覚や空気感を捉え “人間の尊厳”に眼差しを向ける。




特集イベント「サム・フリークス Vol.27」で上映された際には、満席となり上映終了後には拍手喝采に包まれた本作が、劇場初公開を果たす。
映画『石炭の値打ち』は、2025年11月14日(金)より全国順次公開。

第一部:『炭鉱の人々(Meet the People)』
チャールズ皇太子の公式視察訪問の地に選ばれたミルトン炭鉱。王室による視察訪問など無駄だと反対する労働者たち。一方でほとんどの従業員は賛成していると、炭鉱に草木を植え、ペンキで補修するなど見栄えを整えるためだけの経費も計上する幹部たち。皇太子の視察訪問に備え、右往左往しながらも当日を迎える。
第二部:『現実との直面(Back to Reality)』
皇太子の公式視察から1ヵ月後、ミルトン炭鉱で地下の爆発事故が発生する。坑内に取り残された8名の労働者たちの安否を願い炭鉱にその家族たちが集まるも二次災害の可能性でどうすることもできない。救助隊が出動し、マスコミも集まるが、経幹部たちは責任をなすりつけ合う。
監督:ケン・ローチ
出演:ボビー・ナット、リタ・メイ
配給:スモモ
©Journeyman Pictures
2025年11月14日(金) Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開