Oct 10, 2025 news

現代人の価値観を揺さぶる“二次元の恋” 映画『消滅世界』予告映像&メインビジュアル公開

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芥川賞作家・村田沙耶香の同名小説を実写化する、映画『消滅世界』の予告映像とメインビジュアルが公開された。

原作「消滅世界」は、超少子化の先、「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描く。監督を務めるのは、ミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで活躍する映像ディレクター・川村誠。

舞台は、人工授精で子どもを産むことが定着した近未来の日本。夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は“家庭の外”の恋人か、二次元キャラが常識になっていた。それは“両親が愛し合った末”に生まれた子は異常とされる世界。主人公の雨音(蒔田彩珠)は、「お前、人工授精じゃないの? 気持ち悪い」と学校で虐められ「お母さんは、なんで普通じゃない方法で私を妊娠したの?」と母親の雫(霧島れいか)に嫌悪を抱いていた。

雨音の性愛の対象は二次元キャラのラピス。自分がラピスに恋をしていると実感する時、自分は母とは違うのだ、周囲と同じく正常だとわかって喜びを感じる雨音。ラピスを同じく愛する同級生の水内(結木滉星)と特異な性関係を持つようになる雨音は、水内との身体のつながりに心が満たされていく。

大人に成長した雨音は、性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外の男性やキャラクターと恋愛を重ねていた。“普通”であるはずの夫と結婚したものの、その夫は“妻”である雨音に性行為を求める。それは、この世界では“近親相姦”と非難される行為。夫のことを許せない雨音は離婚を選択する。

間もなく、元夫とは正反対の朔(栁俊太郎)と出会う。朔も、雨音との結婚を意識しながらも他の恋人がいる。そんな今の世界の常識を叱責する雫だが、雨音は朔と結婚。性愛とは無縁の穏やかな結婚生活を楽しんでいた。

その頃、住民全体で計画的に人工授精、出産、管理を行い、住民みんなで子育てをする実験都市「エデン」が千葉に作られる。そこは恋愛も性も完全に無い世界。雨音と朔にとってまさに“理想の楽園”に居を移す2人だが、人工授精による妊娠が、2人の関係を狂わせていく。

この度公開された本予告映像にも登場する、主人公・雨音が恋をするアニメキャラクターの少年“ラピス”のキャラクターデザインを手掛けたのは、ずっと真夜中でいいのに。や、Eve、ポーター・ロビンソンなど数々のMVで知られるアニメーション作家のWaboku。

映画『消滅世界』は、2025年11月28日(金)より公開。

作品情報
映画『消滅世界』

人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。 そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ 恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。 そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。 家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。 だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。

監督・脚本:川村誠
 
原作:「消滅世界」(村田沙耶香著/河出文庫)

出演:蒔田彩珠、栁俊太郎、恒松祐里、結木滉星、富田健太郎、清水尚弥、松浦りょう、岩田奏、山中崇、眞島秀和、霧島れいか

配給:NAKACHIKA PICTURES

©︎2025「消滅世界」製作委員会

2025年11月28日(金) 公開

公式サイト shoumetsu-sekai