Nov 01, 2022 news

常に若い読者を獲得し続け、現代にも響く太宰治文学の魅力に迫る! 映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』

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1947年に出版され“斜陽族”と流行語にもなり、大ベストセラーとなった太宰治の名著「斜陽」執筆75周年を記念して製作された、映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』。ヒロインのかず子を宮本茉由、彼女が想いを寄せる売れ子作家を安藤政信が演じ、戦後の日本を舞台に“恋と革命の物語”が綴られる。山日YBSグループ創業150周年記念作品として、太宰治が新婚時代を過ごした山梨県内でも撮影された。

「パンドラの匣」「人間失格」「ヴィヨンの妻」「グッド・バイ」に続き「斜陽」が実写映画化された太宰治。執筆から75年の歳月を経て、改めて実写映画化された「斜陽」、そして太宰文学の魅力に迫る。

「人間は恋と革命のために生れてきた」―太宰治の名言が刻まれた名著「斜陽」が出版された1947年、結核療養所での恋模様を描いた「パンドラの匣」が『看護婦の日記』として太宰治の作品で初めて映画化された。それから75年、「富嶽百景」「走れメロス」「ヴィヨンの妻」「人間失格」、未完の遺作「グッド・バイ」など、数々の名作がときには繰り返し映像化されている。

僅か10余年の執筆活動にも関わらず、生への不安や滅びの美学を描く作品と、明るくユーモラスな作品の一見両極にも見える作品の数々を世に送り出した太宰治。薬物中毒や自殺未遂、女性関係などで世間を度々騒がせた問題児でありながら、人間の心の機微をとらえた作品は、作家自身の人物像まで含めて時代を超えて愛され続けている。

今なお若い読者を獲得し続けるその魅力のひとつが、屈折した自意識を赤裸々に登場人物に投影し、その苦悩を描き出す作風にある。誰もがひっそりと抱える感情がリアルな筆致で描かれた作品に多くの若者が共感し、その人間らしさをさらけ出す太宰本人に魅了されてきた。

「斜陽」を映画化した本作でも、主人公かず子(宮本茉由)が思いを寄せる売れっ子作家の上原(安藤政信)、文学を志すものの麻薬や酒に溺れていくかず子の弟、直治(奥野荘)には、作家である太宰治自身が投影されている。

安藤が演じる上原は、自分の作品を卑下しながらも、自由に生きるために小説を書き続ける作家。そんな上原に許されぬ思いを胸に秘めて、真っ直ぐに生きようとするかず子との“恋と革命の物語”が、現代に生きる人々に新たな希望を贈る。

映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』は、10月28日(金)よりTOHOシネマズ甲府、シアターセントラルBe館にて先行公開、11月4日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開。

作品情報
映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』

「人間は恋と革命のために生まれてきた」―太宰治の名言が刻まれた名著「斜陽」。今もなお若い読者を獲得し読み継がれている「斜陽」が執筆75周年を記念して映画化。戦後の日本を舞台に没落貴族の娘かず子と彼女が想いを寄せる売れっ子作家との“恋と革命の物語”。

監督:近藤明男

原作:太宰治「斜陽」

出演:宮本茉由 / 安藤政信、水野真紀、奥野壮、田中健、細川直美、白須慶子、三上寛、柏原収史 / 萬田久子 / 柄本明、尾崎右宗、菅田俊、岡部尚、中谷太郎、緒方美穂、三木秀甫、岡元あつこ、栗原沙也加、今泉朋子、白石恭子、薗田正美、光藤えり、山村友乃、野崎小三郎、ジョナゴールド / 春風亭昇太

配給:彩プロ

©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会

2022年10月28日(金) TOHOシネマズ甲府、シアターセントラルBe館にて先行公開 / 2022年11月4日(金) TOHOシネマズ日本橋ほか全国公開

公式サイト syayo.ayapro.ne.jp/