清原惟監督による第26回PFFスカラシップ作品、映画『すべての夜を思いだす』。この度、本作の日本公開が決定し、日本版予告映像、日本版ポスターが公開された。
すでに多くの海外映画祭でも高い評価を得て、2023年には日本公開を前に北米での公開も果たした本作。メガホンをとったのは、前作『わたしたちの家』でPFFアワード2017グランプリを受賞したほか国内外から注目を浴びた清原惟。
本作では、東京郊外・多摩ニュータウンを舞台に、人々の一見平凡に見える日常がいかに尊いものかをあたたかく詩的な眼差しで捉えた。
3人の主人公を演じるのは、青年団のメンバーとして数々の演劇に出演してきた兵藤公美と、ロロや贅沢貧乏など演劇を中心に、演出家から多大な信頼をあつめる大場みなみ、そして、ドラマ、CM、映画など幅広い活躍をみせる見上愛。ほかに、俳優であり文筆家としても活躍する内田紅甘、アッバス・キアロスタミ監督の遺作『ライク・サムワン・イン・ラブ』の主演を務めた奥野匡、芥川賞作家の滝口悠生など、個性的な出演者たちが街に生きる人々を演じる。
初の長編作品から2作品連続ベルリン国際映画祭に出品という快挙を成し遂げ、その感性と独自の世界観が海外メディアからも激賞されている清原惟監督は、去る9月の「第45回ぴあフィルムフェスティバル」で来日した、フランスの巨匠、アルノー・デプレシャン監督と『イスマエルの亡霊たち』の上映時に対談した。その際にデプレシャン監督から本作に対して惜しみない賛辞が送られ、さらにこの度新たに「人々の間に流れる空気が、素晴らしかった。」とのコメントも寄せられた。
映画『すべての夜を思いだす』は、2024年3月2日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開。
高度経済成長期と共に開発がはじまった、東京の郊外に位置する街、多摩ニュータウン。入居がはじまってから50年あまりたった今、この街には静かだけれど豊かな時間が流れている。春のある日のこと。誕生日を迎えた知珠は、友人から届いた引っ越しハガキを頼りに、ニュータウンの入り組んだ道を歩きはじめる。ガス検針員の早苗は、早朝から行方知らずになっている老人を探し、大学生の夏は、亡くなった友人が撮った写真の引き換え券を手に、友人の母に会いに行く。世代の違う3人の女性たちは、それぞれの理由で街を移動するなかで、街の記憶にふれ、知らない誰かのことを思いめぐらせる。
監督・脚本:清原惟
出演:兵藤公美、大場みなみ、見上愛、内田紅甘、遊屋慎太郎、奥野匡、能島瑞穂、川隅奈保子、中澤敦子、佐藤駿、滝口悠生、高山玲子、橋本和加子、山田海人、小池波
配給:一般社団法人PFF
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2024年3月2日(土) ユーロスペースほか全国順次公開
公式サイト subete-no-yoru