Jun 08, 2022 news

今村昌平、小津安二郎、塚本晋也‥‥溢れる日本映画愛を語る特別映像公開 365日映画を観る男が、傑作111本を紐解くドキュメンタリー映画『ストーリー・オブ・フィルム』

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近代の傑作映画たちの制作背景や、その内容を紐解くフィルムドキュメンタリー、映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』が6月10日(金)に公開となる。

本作は、365日欠かさず新たな映画を視聴し、これまでの人生で鑑賞した総本数が1万6,000本を超える“究極の映画オタク”カズンズ監督が、めまぐるしい社会の変化、テクノロジーの進化とともに、映画を取り巻く環境や表現手法が劇的に変わった2010~2021年の11年間にスポットをあて、ハリウッド・メジャー大作からアートハウス系、知られざる日本未公開作まで実に幅広く多種多様に111本の映画を厳選し、愛に溢れた独自の批評的視点を披露する内容だ。

これから観る人には知的好奇心を、かつて観た人には更なる探求心をかき立てることが話題を呼んでいる。

この度、日本映画愛に溢れるマーク・カズンズ監督の特別インタビュー映像が公開された。
この映像では、大好きな日本映画のことや俳優たち、そして世界のおすすめ映画スポットなど大いに語っている。

日本と約1万キロ離れたスコットランドに住むマーク・カズンズ監督。

「とても離れた距離にいますが、日本の皆さんと映画愛を共有することができ、とても嬉しく思います」と感謝を述べた後、「これだけは観てほしい」という日本映画について、まず最初に今村昌平監督の『にっぽん昆虫記』をピックアップ。「叙事詩的で生命力に満ちたすばらしい映画で視覚的にも美しい作品」と絶賛。

くわえて小津安二郎監督の『長屋紳士録』、塚本晋也監督の伝説的1980年代の肉体ホラー映画『鉄男』を「パンクな映画」として紹介。

また好きな日本人俳優に関しては三船敏郎と香川京子の名前を挙げ、「幸運にも東京でご本人に会えました」と明かした。

対談してみたい日本人監督や俳優について聞くと「田中絹代さん」と即答。監督としても活躍してた彼女の大ファンでもあり「彼女の名前を僕の腕に彫るくらい大好きです」と熱弁を振るっている。

世界の美しい映画館も紹介される本作。「ぜひ訪れてみてほしい世界の映画ロケスポットや映画館はありますか?」という質問に対し、 “新聞王”と言われる、カリフォルニアのW・R・ハーストの豪邸「ハースト・キャッスル」をお薦めしてくれた。

現在は観光地としても有名であるが、チャップリンやグレタ・ガルボなど「1920-40年代に知人の映画スターたちを招きその豪邸でパーティを開いていました」などその理由を述べ、当時のハリウッドがいかにロマンチックでいかに享楽的だったかを知ることのできる建物であることも伝えた。

最後には、これから映画を見る日本の観客へメッセージも。
すべての映画を「子供のように目を見開き心を開いて、先入観を持たずに観てほしいのです。本作も心を開いて観てくださることを願います」と本作に込めた想いを語った。

劇中に登場する111本の映画は、受賞歴や興行成績といったありきたりな選択基準にはまったく沿っていない。『ジョーカー』『アナと雪の女王』という一見何の関係もない2作品が、実は“解放”という意外なキーワードで共通していることを指摘するオープニングからしてサプライズの連続。そして「映画言語の拡張」「我々は何を探ってきたのか」という2部構成で、既成概念に囚われず革新的な映像表現を実践した映画を検証していく。

ここで本編にて引用されたタイトルをいくつか紹介しよう。

コメディからは『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』、『デッドプール』。アクションからは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。ホラーからは『ミッドサマー』『イット・フォローズ』をセレクト。

さらに、日常の中の夢幻性(『光りの墓』)、斬新な身体表現(『ムーンライト』『ゼロ・グラビティ』)、独特の時間感覚(『コロッサル・ユース』『象は静かに座っている』)、世界を捉える新しい視線(『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』『サウルの息子』)を獲得した作品。

そして、GoProやスマートフォンといった新世代カメラ(『リヴァイアサン』『タンジェリン』)、モーション・キャプチャーなどの最先端デジタル技術(『猿の惑星:聖戦記』『アイリッシュマン』)を導入したエポック・メイキングな作品を振り返る。

映画好きなら、列挙されたタイトルだけでも本作の胸躍る魅力が伝わってこないだろうか。
映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』は6月10日より全国公開。

作品情報
ドキュメンタリー映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』

毎日欠かさず新たな映画を視聴、これまでの人生で鑑賞した総本数が1万6,000本を超えるという“究極の映画オタク”マーク・カズンズ監督の情熱によって作り上げられた本作は、めまぐるしい社会の変化、テクノロジーの進化とともに変わりゆく世界も見据えながら、ハリウッド・メジャー大作からアートハウス系、知られざる日本未公開作まで実に幅広く、取り上げるジャンル、テーマも多種多様に111本の映画を厳選。「映画をもっと深く知りたい」「未知の映画を発見したい」と願うすべての観客を、壮大な冒険旅行へと誘う“フィルム・ドキュメンタリー”。

監督・ナレーション:マーク・カズンズ

配給:JAIHO

2022年6月10日(金) 新宿シネマカリテ他にて全国順次公開

公式サイト storyoffilm-japan.com