『ラストナイト・イン・ソーホー』『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督が手掛けた初の音楽ドキュメンタリー映画『スパークス・ブラザーズ』。50年の活動歴、25枚のアルバム、345の楽曲という偉大なキャリアを築きあげ、今もなお現役で活動しているバンド「スパークス」。しかし、世間からはその奇抜さゆえ受け入れられないこともあるのが現実。
そんなスパークスの唯一無二の“ユーモア”について、今年6年ぶりの最新アルバムをリリースするレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシストであるフリー、そして、グラミー賞最優秀コメディアルバム賞を3枚のアルバムで受賞したウィアード・アル・ヤンコビックが分析する動画が公開された。
普段から歯に衣着せぬ物言いが特徴のフリーは、スパークスについてこう語る。「ポップミュージックで俺が戸惑うのは受容性の欠如。だからスパークスは世界最大のバンドになれない。あいつら面白すぎるんだよ!」と彼らしい愛のある分析をする。また、「EAT IT」「FAT」などのマイケル・ジャクソンの替え歌やコミックソングをリリースしているウィアード・アル・ヤンコビックは「批評家たちは面白いバンドを“コミック・バンドだ!”と過小評価するんだ。なぜだ?クソまじめな必要があるか?」と、スパークスに対し正しい評価がされていないと話す。
フリーとヤンコビックはそれぞれ全く異なる音楽性ではあるが、スパークスに対して世間は過小評価だという意見は合致。実際、スパークスの作曲を担当しているロン(兄)も「傑作だと思った新譜が受け入れられず猛烈に腹が立ったよ!」と心境を吐露する姿を見せる。アーティストによる曲作りの苦悩と世間からの評価のギャップが露わになるエピソードも音楽ドキュメンタリーならではの面白さ。豪華アーティストの愛を感じる。
本作の字幕監修を務めた岸野雄一は「ミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ばれ、様々なアーティストに大きな影響を与えてきたポップ・ミュージック最後の扉がいま開かれる!」とスパークスの影響力に言及。スパークスと先日鼎談をしたと語る岡村靖幸は「大いなる謎のスパークス。このドキュメンタリーは大いなる答え合わせであり解読ツールです。」とコメント。満島真之介は「僕の辞書は書き変わった」というほどの衝撃を受けた様子。
さらに、樋口真嗣監督は「奇跡のような、宝物のような映画」とコメント。犬童一心監督は「ガッツと探求と挑戦、生き残るためにあるユーモアの輝き。二人の歩いた路は二人にしかないけど自分も歩いていたような気持ちになった。」と語り、大森立嗣監督は「まるで魔法のように何度も再生する姿、最前線でやりたいことをやり続ける姿勢、変化への恐れのなさ、なのに同じカフェでのルーティン、兄弟への圧倒的な信頼。そのどれもこれも、表現することの秘密が散りばめられている。」と、映画界からも絶賛の声。
映画『スパークス・ブラザーズ』は4月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他にて全国公開。
兄ロンと弟ラッセルのメイル兄弟からなる「スパークス」は、デビュー以来、謎に包まれた唯一無二のバンド。レオス・カラックス監督最新作『アネット』で原案・音楽を務めたことでも話題沸騰中。そんな彼らの半世紀にもわたる活動を、貴重なアーカイブ映像やバンドが影響を与えた豪華アーティストたちのインタビューと共に振り返る。
監督:エドガー・ライト
出演:スパークス(ロン・メイル、ラッセル・メイル)、ベック、アレックス・カプラノス、トッド・ラングレン、フリー、ビョーク(声)、エドガー・ライトほか
配給:パルコ ユニバーサル映画
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2022年4月8日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他全国公開