2018年にシアターコクーンで上演され、各所から絶賛を浴びたオリジナルの舞台を、脚本・監督・三浦大輔×主演・藤ヶ谷太輔が再タッグを組み映画化が実現した、映画『そして僕は途方に暮れる』。
この度、映画用に新アレンジを加え、大澤誉志幸本人が新たに歌ったエンディング曲「そして僕は途方に暮れる 2023 movie version」を使用したスペシャル映像が解禁された。
映像で映し出されているのは、藤ヶ谷演じる主人公・裕一の“逃げ続ける人生”。些細なことから、あらゆる人間関係を断ち切って、逃げて、逃げて、逃げまくる様はもちろんのこと、逃げるごとに裕一がひとり見せる表情は、人間誰しもが一度は持ったことがある「逃げたい」という心理を、実際に「逃げてしまった」裕一を通しリアルに描く。
この原曲を知っている世代にも、知らない世代にも、どこか懐かしく、そして新しいエモーショナルな楽曲にのせて、初お披露目のシーンが散りばめられた、本作の魅力が詰まった映像となっている。さらには、12月16日(金)0時より楽曲の配信も開始。伝説のヒット曲が映画とともに新たな輝きを放つ。
三浦大輔監督は「物語と歌の歌詞が完全にリンクしているわけではないですが、交わる部分はたくさんあり、その余白も含めて、映画を観終わったあと、その先の主人公の姿に思いを馳せるエンディングになったのではと思っております。」と作品とエンディング曲のシナジーに自信をのぞかせる。
本作の原作となる舞台版「そして僕は途方に暮れる」を三浦監督が執筆していた段階では、実はタイトルは(仮)だった。が、あまりに「そして僕は途方に暮れる」という文言が作品の内容とフィットしていたことから“(仮)”が取れて、正式な作品名に。
小西啓介プロデューサーは、「三浦監督も私たちプロデューサー陣も楽曲としての“そして僕は途方に暮れる”を使用すべきかどうかは本当に悩みました。一世を風靡した名曲なだけに、それは期待通りなのか、予定調和なのか?実際にエンドロールに原曲を仮で当ててみたり、音楽を担当された内橋(和久)さんの劇伴を当ててみたりを何度も繰り返して。最終的に監督が出した答えは、内橋さんによる映画版のアレンジで大澤さんに歌唱をお願いすること。結果、大澤さんの歌入れを生で聴いて感動し、ようやく映画が完成することを実感しました。内橋さんの素晴らしいアレンジと快諾してくださった大澤さんに感謝の言葉しかありません。」と語る。
そうして、本作と楽曲のコラボレーションが実現、この音像も本作を深い味わいへといざなう大切な要素のひとつとなっている。
【三浦大輔 コメント】
―― 今回、『そして僕は途方に暮れる』をエンディング曲に使いたいと決めた時の監督の意図や気持ちは?
この物語を考えたとき、自分の中で「そして僕は途方に暮れる」という文言がずっと頭に残り、どうしても離れず、最終的にタイトル名に決定しました。もちろん、同名の大澤誉志幸さんの大ヒット曲があったからこそ、浮かんだことは周知の事実です。今回、映画化にあたって、物語を「そして僕は途方に暮れる」の楽曲で締め括りたいと願い、大澤さん自身の歌声で新たにアレンジされ、叶えられたことを心から嬉しく思っております。
―― 楽曲の使用方法については、色々と試行錯誤されたとのこと。内橋さんのアレンジで、大澤さんが歌唱されたエンディング曲を聞いたときどうだったか。
物語と地続きなものとして「そして僕は途方に暮れる」をエンディング曲にしたかったので、映画の音楽を担当された内橋和久さんにアレンジをお任せしました。そのアレンジも見事でしたし、さらに大澤さんの歌声が映画に一際、余韻を与えて下さりました。
―― 今回のエンディング曲は、本作にとって、どのような意味合いや効果があったと思うか。
物語と歌の歌詞が完全にリンクしているわけではないですが、交わる部分はたくさんあり、その余白も含めて、映画を観終わったあと、その先の主人公の姿に思いを馳せるエンディングになったのではと思っております。
自堕落な日々を過ごすフリーターの菅原裕一は、長年同棲している恋人・里美と、些細なことで言い合いになり、話し合うことから逃げ、家を飛び出してしまう。その夜から、親友、大学時代の先輩や後輩、姉のもとを渡り歩くが、ばつが悪くなるとその場から逃げ出し、ついには、母が1人で暮らす苫小牧の実家へ戻る。だが、母ともなぜか気まずくなり、雪降る街へ。行き場を無くし、途方に暮れる裕一は最果ての地で、思いがけず、かつて家族から逃げていった父と10年ぶりに再会する。「俺の家に来るか?」、父の誘いを受けた裕一は、ついにスマホの電源を切ってすべての人間関係を断つのだが‥‥。
脚本・監督:三浦大輔
原作:シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」(作・演出:三浦大輔)
出演:藤ヶ谷太輔、前田敦子、中尾明慶、毎熊克哉、野村周平 / 香里奈、原田美枝子 / 豊川悦司
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会
2023年1月13日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開