Sep 09, 2024 news

相米慎二監督後期の名作が、30年の時を経て待望の4Kリマスター化 “凱旋”公開へ 映画『お引越し』『夏の庭 The Friends』4Kリマスター版

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【コメント】

▼田畑智子
『お引越し』は私自身のデビュー作であり、思い入れしかない、宝物のような作品です。小学生だった私は、まさか30年経ってもまだこの仕事をしているなんて思ってもいませんでした。相米監督に出会って私の人生が変わった。あの夏はそのぐらいの出来事でした。

それが今、またスクリーンで観られる!

みなさんがどういう感想を持ってくださるのか、すごく興味が湧きます。改めて観る方も、初めての方も、現代だからこそ響くところがきっとあるし、相米監督のつくる世界をいろんな方に楽しんでもらいたいです。

▼中井貴一
相米監督との出会いは、人見知り合戦からスタート。お互い、人見知りで、『東京上空いらっしゃいませ』の顔合わせが進まず、トイレから帰って来た相米監督が、突然、「中井、ゴルフやる?ゴルフ行こう」と。その1週間後、ゴルフをラウンドしながら、打ち合わせ、顔合わせとあいなった。そこからの、お付き合い。『お引越し』は、1ヶ月、京都ロケ。しかも、お盆時期。インバウンドの盛んな今ほどではないが、実際の大文字山をバックに撮影などとは、車量、人の数からして正気の沙汰ではない。それを、平然と実行するのが、相米組の凄さ。まだまだ、話すエピソードの尽きぬ、思い出の映画である。最も敬愛し、最高の友人でもあった相米慎二の凄さを、再び体感してほしい。

▼笑福亭鶴瓶
相米監督には『東京上空いらっしゃいませ』からずっと出演させてもらったのですが、その時は別に何とも思わなかったですね。ただウマが合って、僕と相米監督と安田プロデューサーと中井貴一で〝あほの会″というのを作って月に1回ご飯食べに行ったりしてましたね。

いま番組で色々な監督と出会う機会が多いのですが、〝相米さんはどうやった″とずっと聞きはるんですよね。若い監督が相米慎二の事を神さんみたいに尊敬しててそんな監督の作品にずっと出してもうてた僕までもがなんか羨ましがられて‥‥。改めてすごい人やったんやなと実感してます。ただ人間的には無茶苦茶ですよ。それでも人に好かれていて不思議な人ですね。あの偉大さを今ようやくわかったというか、ただの友達と思ってましたがすばらしい監督ですね。

▼戸田菜穂
私の映画デビュー作は、相米慎二監督の『夏の庭 The Friends』で、三國連太郎さん淡島千景さんの孫の役だったと話す時、とてもとても誇らしい気持ちになります。

「わあ、虹きれい」このセリフ、何度やってもオッケーがもらえず、「ダメ」「ダメ」「違う」と言われ続けました。静まり返る現場で一人ぼっち、頼れるのは自分しかいない。これがプロの厳しさだと教わりました。本当に虹がきれいだと思ってセリフが言えるまで、延々と繰り返されたこの尊い経験がいつも私の根底にあります。

あの夏の神戸、小さな家、庭、コスモス。今はもう会えない相米監督‥‥
あの少年たちはいくつになったのかなあ。

あの夏に行ける! もう一度映画館で!

試写室から出てきた相米監督の目には光るものがあり、それはとても優しい目でした。

映画『お引越し』『夏の庭 The Friends』4Kリマスター版は、2024年12月27日(金)より全国順次公開。

作品情報
映画『お引越し』4Kリマスター版

京都に住む、明るく元気な小学6年生、レンコ。父ケンイチが家を出て、母ナズナとの2人暮らしが始まった。ナズナは新生活のための規則を作るが、変わっていこうとするナズナの気持ちがわからない。レンコは、離婚届を隠したり、自宅で籠城作戦を決行したり、果てにはかつて家族で訪れた琵琶湖への小旅行を勝手に手配する。

監督:相米慎二

原作:ひこ・田中「お引越し」

出演:中井貴一、桜田淳子、田畑智子、笑福亭鶴瓶

配給:ビターズ・エンド

©1993/2023讀賣テレビ放送株式会社

2024年12月27日(金) Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開

映画『夏の庭 The Friends』4Kリマスター版

木山、河辺、山下の小6トリオは、祖母の葬式に出席した山下の話を聞き「死」に興味を持ちはじめる。近所に住む一人暮らしのおじいさんがもうすぐ死にそうだ、と聞きつけた3人は、家を張り込むことに。はじめは少年たちを追い返そうとしたおじいさんも、次第に彼らを受け入れ始める。そんなとき、ひとりぼっちのおじいさんのために、3人はある計画を思いつく。

監督:相米慎二

出演:三國連太郎、坂田直樹、王泰貴、牧野憲一、戸田菜穂、笑福亭鶴瓶

配給:ビターズ・エンド

©1994/2024讀賣テレビ放送株式会社 ©1992湯本香樹実/新潮社

2024年12月27日(金) Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開