エドワード・ヤン、ツァイ・ミンリャンに続く、ポスト「台湾ニューシネマ」の鬼才ホー・ウィディンによる衝撃作、映画『青春弑恋』(せいしゅんしれん)の予告映像が公開された。
本作は、エドワード・ヤンによる傑作『恐怖分子』(1986)で描かれた、何の接点も持たない人々の間で起こる奇妙な連鎖反応を描いた群像劇をデジタル時代にアップデートし、大都市に生きるミレニアル世代の若者たちの欲望と苦悩を野心的に描いている。2021年トロント国際映画祭ワールドプレミア上映で高い評価を受け、同年の東京国際映画祭でもチケットが即完売した話題作だ。
予告映像は、刀を持った男が台北駅に現れ、ヘッドフォンをした女が立ち尽くす中、今まさに惨劇がおこる瞬間から始まる。徐々に惹かれ合う、「家族が欲しくなった」と帰国した若い料理人と「みんな私を捨てた」と悲しみを訴える女。それを影から覗く男。「私クズよね」と泣く女優に「その気持ちわかる」と寄り添う女。過去にエロティックな配信をした女優に興奮する男。その男と乾杯するマッサージ嬢。男に「彼氏になって」と迫るコスプレイヤー。ショパンの「夜想曲(ノクターン)」を背景に、複雑に絡み合っていく6人の男女が映し出され、音楽が鳴り止むと共に悪夢のような惨劇へとなだれ込んでいく様子が描かれている。
「衝撃的そしてスタイリッシュ」(Variety)、「孤立した魂の人間交差点から見える不都合な真実」(Screen Daily)、「盲目的で真実な愛の描写」(The Film Stage)など、世界中からも高く評価されている本作に注目したい。
映画『青春弑恋』は、2023年3月24日(金)より全国順次公開。
オタクの大学生ミンリャンは、エロティックなライブ配信を行うモニカに恋をしている。好奇心旺盛な女子高生キキは、コスプレイヤーに扮してミンリャンを振り向かせたい。長い航海を終えて帰国した若い料理人、シャオジャンは、カフェ店員のユーファンと付き合いたいと思っている。ユーファンは、精神的な慰めを見つけようと舞台演劇に没頭する中で、新人女優のモニカと親密になっていく。モニカの消し去りたい過去をミンリャンは気にも留めないが、モニカはミンリャンのことを知らない。リアルとバーチャルが交差する都市で、愛、欲望、犯罪に囚われた6人が奏でる、Z世代の台北夜想曲(ノクターン)。誰も逃れられない悪夢のような惨劇が始まる‥‥。
監督:ホー・ウィディン
出演:リン・ボーホン、ムーン・リー、リン・ジェーシー、アニー・チェン、ヤオ・アイニン、ディン・ニン
配給:2ミーターテインメント(2MT)
©2021 CHANGHE FILMS LTD.
2023年3月24日(金) シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開
公式サイト siren.2-meter.net